第3話 転売。ダメ。ゼッタイ。
購入を頼まれたゲームの発売日前日。定時後すぐに会社を出てシュンが狙い目だというに店に一緒に行くことになった。
到着してみるとすでに数十人の行列が出来ている。俺らのような社会人組が定時後に駆けつけたのか行列はあっという間に延び、並んでいる人数を数えていた店員によって行列は打ち切られたようだ。行列を整理していた店員に話しを聞くと、一人一個限定で150本しか入荷しないらしい。
閉店後に整理券が配られて0時に販売開始し、なんとか無事に買うことができた。
「なんとか買えましたね」
「本当に並ばないと買えなかったのか……。夜中ずっと並ぶ覚悟だったので助かったよ。終電も近いし、これで解散だな。今日はありがとな。つきあわせてしまって」
「いえいえ。こちらこそありがとうございました。一人で並ぶより二人で並んだ方が楽ですからね。おじいさん、喜んでくれるといいですね。では準備がありますので僕はこれで失礼しますね。お疲れ様でした!」
挨拶するとシュンは嬉しそうに帰っていった。どんだけ楽しみにしているんだよ!
帰宅すると、じいちゃんとばあちゃんはすでに寝ているようだ。無事に買えたことはメッセージで伝えてあるし、購入したゲームはリビングのテーブルの上に置いておく。今日は疲れた。俺も寝よう。
―――――
翌朝起きてリビングにいくと、じいちゃんが朝食をとっている。
「おはよう。ばあちゃんは?」
「ばあちゃんはキャラメイク中だ!」
嬉しそうな顔のじいちゃん。ばあちゃんも乗り気だったり?
今日は休みだしのんびりするか。自分でパンをトーストして、コーヒーをいれる。差し出されたゆで卵は、じいちゃんが作ったらしい。絶妙な半熟具合だった。こういうところは細かいんだよな。うちのじいちゃん。
「頼まれていたゲーム、置いておいたけどそれで間違いなかった?」
「ああ、これであってるぞ。だがマサルすまん! 実はばあちゃんのアカウント申し込んでいたネット抽選に当たったとメール連絡が今朝来てたみたいでな。わざわざ買ってきてもらったのに無駄になってしもうた・・・・・・本当にすまんかった」
「事前にネット抽選のことは聞いてたし、無駄になるかもと思ってからいいよ。じゃあこれはもういらないよな。人気あるみたいだしネットオークションにでも出せば高値で売れるかも「マサル!」」
急に両肩をつかんでくるじいちゃん。
「転売。ダメ。ゼッタイ。」
「・・・・・・」
「返事は?」
「・・・・・・はい」
顔こえぇぇぇ。
「じゃあこれ、どうしたらいいんだよ?」
「マサルがやればいいだろ。パッケージ版は一ヶ月分の月額料金込みだし、序盤で役立つアイテムも貰える。初心者にはちょうどよかろう。10時からサービス開始だ。今からキャラメイクすれば祭りに間に合うぞ!」
まあ遊んでみるのもいいか。無駄にするのはもったいないし。シュンとの話題にも使えるしな。
少し短いですが、いったんここで切ります。




