邂逅という名の強襲(2)
なかなか投稿できずすいません
気まずい雰囲気を漂わせながら吉野は比嘉を警視庁内の様々な部署を案内していく。
「ここが交通課、その向こうにあるのが生活安全課です。」
比嘉は吉野の案内に耳を傾けながら案内された場所を一通り目を通す。
「結構広いのですね。うち(警察庁)よりも立派ですな。」
その返答に吉野は素っ頓狂な表情を見えながらも次の場所に案内した。
「ここが、聴取室です。」
そのフロアには第一聴取室、第二聴取室とナンバリングされた部屋が計7室う存在しこのうちの2部屋は使用中となっていた。
「せっかくなんで中を見学しますか?」
少し考えると笑顔でイエスと返答したが隣の女性秘書は不機嫌そうな顔をしていたのに吉野は気がついた。
「あまり気持ちの良い場所ではありませんのでね。」
苦笑いを浮かべながらドアを開けて3人は入室した。
「よく刑事ドラマで見る感覚と同じですね。」
少し大きめのデスクと椅子が二つ置かれておりある一片の壁を見るとマジックミラーと思われるものがはめ込まれている。
「予想していただいたもので正解です。実際の聴取の際は聴取を行うものが一人、記録が一人、向こうの部屋で二人が常駐します。」
「そうですか。」
はははと笑う比嘉をよそに女性秘書は顔色を悪くしていく。よっぽど聴取室が嫌なのであろうと考えた吉野は、足早に聴取室から出て最後の捜査一課に案内を行う。
途中、比嘉がある模型の前で立ち止まった。
「これは?」
そこには、年代物のパトカーや警視庁庁舎のジオラマが設置されている場所である。
「ここは、過去に使用されていた備品や車両といったものの展示室です。来賓の方や子供向けに案内を行う場所です。」
「このミニチュアのパトカーもそうですか?」
「そうです。昭和初期から現在使用されているパトカーのミニチュアが展示されています。」
そうですかと言おうとした時であった。吉野のパトカーに対する愛情がこれでもかというくらいに溢れ出したのだ。
「これは、クラウン200系地域型このボンネットの丸みがすごくキュートでしょう」
「あ、、、あの吉野さん?」
「これは同じ200系でも交通型のクラウン。ボンネットは地域型とは違いシャープな形になっていてまさにスポーティなフォルムとなったタイプ。こっちは180系のクラウン渋みが出たまさしくちょいワルおやじならぬちょいワルパトカーです。」
パトカーの説明が止まらなくなりだんだんと荒い息を出し吉野の目が焦点が合わなくなっていく。
「よっっっ吉野さん。そろそろ捜査一課に行かなくてはならなry」
そんな制止も聞かずに吉野は止まらず比嘉や女性秘書に説明を行う。
「昭和初期のモデル渋みの中の儚さ。これこそ歴史!!つまりここにあるのはパトカーと現代日本警察のストーリ。そうつまりはキュートとシャープさに生まれたハアアアアアアアアモニイイイイイイイイイイ!!!」
女性秘書はぽつりと変態だと体を震わせながら吉野を見た。
まさしくパトカーに対する執着心がオーラをまとい来客そっちのけで愛し始めた。
女性秘書が恐怖心を抱き始めていた時、比嘉はぽつりと呟いた
「そんなちっぽけなものに一体どのような価値があるのでしょうか?あまりにも不必要なものだと思いますよ。そんなガラクタはどうでもいいのであなたの勤めている捜査一課を見せていただけないですか?」
その言葉に、吉野のマシンガントークは収まりしゅんとしおらしくなってしまった。
「すいません。調子に乗りすぎました。」
わかったらそれだけでいいのですよというと3人は展示室を後にした。
エレベーターに乗り捜査一課の部屋に着くと辺りに漂うコーヒーの香りが優しく包み込んでくれた。
「ここが、捜査一課です。どうぞ」
ドアを開けて数分前に綺麗にした来客用のテーブルに案内した。
「ここが捜査一課ですか。確かに整理整頓されてはいますが少しホコリっぽいですね。」
「タバコ吸う人が多いのに加えて空気清浄機置いてませんからね。マスクは必須です。」
吉野が苦笑いを浮かべた時に比嘉がぽつりと(こんな場所では優子ちゃんがかわいそうだよ。あまりにも不釣り合いじゃないか)とつぶやいた
この内容に吉野はたまらず聞き返す。
「えっと何かおっしゃいましたか?」
「いえ。こちらの話してすよ。何もありませんよ。」
何モアリマセンと言いながら比嘉の言葉の真意に吉野は不安を覚えた
「遅くなってすいません。」
3人の談話の中に颯爽と橘がやってきた。
しかもいつもの緩く閉めているネクタイをきっちりとネクタイを閉めいつもの橘ではなくなった姿に吉野は何回も見返した。
「捜査一課長の橘信義です。本日はお願いします。」
「どうぞよろしくお願いします。」
そして橘は吉野にコーヒーを取りに行かせた。
「久しぶりですね。何年ぶりでしょうかこのような形でお会いできたのは?」
「本当に久しぶりだな。俺よりも三階級も上か」
「ところで彼女は私のことを........」
橘は会話を途中で止めるように会話を遮断した。
「で今回の査察はどうだ?何か学ぶことがあったか」
会話を遮ったことに苛立ちを覚えたようだが不敵に笑みを浮かべて橘を見下すように目線をやった。
「とてもいいものを得ることができました。とてもいいものをね」
その笑みを見て橘は比嘉に対し、少しばかりの警戒心を覚えた。
(こいつは、何か企んでいる)長年刑事のカンがそう伝えている。
1分ほどの沈黙を破ったのは昼ごはんを食べに戻ってきた李や下川、島津と浅野といった捜査員の面々だった。
「お腹が減りすぎて腹と背中がくっついてしまいそうだよ。」
「春人君食い意地を張りすぎだよ」
「そういう二人も食い意地張ってよ。」
「あっははは。でも食べれるうちに食べないといけないのは機動隊でもこっち(捜一)も一緒だな。」
ご飯のことしか考えなかった野郎たちはふと橘と来客に視線を向けて軽く会釈をし、再び昼ごはんのメニューを提案し合うが来客の方に気になって仕方がないのだ。
「みんな帰ってきたんだね。おかえりなさい。橘主任の碾きたてコーヒーあるよー」
その言葉に反応した野郎たちはマイコップを持って吉野の前に群がった。
「うん。お客さん優先やからね。」
そう言いながらも来客用のコップに丁寧にコーヒーを注いでいく。
そして比嘉と女性秘書、橘の前に出したか橘と女性秘書はコーヒーを嗜んだが比嘉は全くと言って口にしなかった。
「比嘉次長はコーヒーが苦手でしたか?」
慌てて吉野が確認に向かうと不機嫌な笑みを浮かべさらには『こんなものをよく平気で出せたな』という表情をニュアンスを吉野や橘にあからさまに向けてきたのだ。
「申し訳ありませんね。どうもコーヒーは好かないのですよ。どうしてこんな泥水のようなものを人々は好むのか理解に苦しみますよ。」
さすがに女性秘書もと目に入ろうとしたが比嘉の『そんなものを見せるな』という表情に何も言えずただただ俯くしかなかった。
ハアーと大きくため息をついた橘はどことなく寂しそうな顔を浮かべてコーヒーの入ったコップを下げて何が飲めるかを比嘉に対して問いかける。
「何なら飲める。」
「紅茶がいいですね。アールグレイを是非ともお願いしたい。」
飛んだわがまま野郎だなと噛みついたのは島津だった。島津だけではなく李や下川などの決起の盛んな刑事たちだっった。
「せっかくコーヒーを入れてもらったのに急に来てやれ紅茶出せ、やれこれがいいだと?あんたご厚意っていうのがわからねーのか?」
「君は?あまり見かけない顔だね。」
「んなことはどうでもいい。あんた橘主任がどんな思いで準備してたかわからねーのか?
」
「もういい喧嘩はよせ。俺のリサーチ不足だった。」と苛立ちを隠しながらも笑顔で島津たちをなだめる橘だがどことなく辛そうである。
そんなこともわかっていながらでも吉野に紅茶を出して欲しいと要求する比嘉に吉野もいらつきを覚えたがここは一歩退く気持ちで紅茶の茶葉を探しに給湯室に出向いた。
給湯室に出向くときに吉野は女性秘書のことを気にかけた。
「彼女はパワハラを受けているけど彼を恐れて言えないんだと」
この訪問後、さらに事件の残忍さが加速していくことをこの時吉野たちはわかるはずもなかった。
今回はパート2ということで書きました。
このパートは次で終了です。
また今週の日曜日に予備自補の試験を受けてきますので小説はまた来週の金曜ぐらいに書こうと思います。
変な天気が続きそうですがみなさんお気をつけてください




