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邂逅という名の強襲を (1)

深夜テンションほど恐ろしものはありませんね

吉野と橘は警視庁に戻ると、早速来客のおもてなしの準備に取り掛かった。まずは、散らかっている他の署員の机を会計の笹野の協力で手際よく片付けていく。

 「こんなに散らかして男ってバカみたい。」

文句を言いながら吉野は机のゴミをちりとりで取り除き雑巾で丁寧に拭いた。

 「男の人が悪いのではなくてここの机を使っている彼が雑に扱っているだけだと思うのですが。」

苦笑いをしながら笹野は、吸殻入れに溜まっていたタバコの残骸をゴミ箱に捨ててコンビニで買ったであろうおにぎりやお弁当のゴミを分別していく。

 「今度、分別やゴミ捨てを徹底させるように他の野郎連中に言っとくか。久々に清掃するとこんなにもきったねえな。」

片手にハタキをもう片方には埃を絡め取るキャッチャーを持ちパソコンやファイルに溜まった細かい埃を取り除いた。

綺麗になったところで今度はもともと休憩用のスペースに設置されたものではあるが来客用の小さなテーブルと椅子をちりとりで隙間に挟まったものを取り除き雑巾で拭き取った。

 「大方、これでいけますかね。」

笹野は腰を伸ばしながら橘に問いかけた。

 「これだけやればなんとかなるな。後は、俺っちがスペシャーーールなブレンドコーヒーを入れるだけだな。」

吉野と笹野の目がキラキラと輝いていた。橘の作るコーヒーはとても有名で警視庁内では知らないものはいないほどそのコーヒーの美味しさに評判があるのだ。

 「それじゃおいちゃんはコーヒーの豆を挽いてくるわ。」

そう言うと、ミルを取り出し豆をセットしまるで子供のように優しそうな目でコーヒーの豆を挽いていく。

吉野は来客を迎えに玄関先まで駆け出していった。

いったいどんな人が来るのだろうか、できれば橘と話が合う人がいいと切に願った。

橘は大のエリート嫌いで特に、エリートの中で自分のことしか考えず周りのことを考えないそんなエリートが嫌いなだけである。

 「私よりも階級が高かろうが胸張って警視庁内を案内してみせる。」

玄関前で機動隊の警備に当たっている警官と一緒に立っていた。

途中警備の警官に「何をそんなに胸張っているのですか?」と聞かれても来客が来るから胸張って待っていることを伝えると警備員も吉野の真似をして胸を張って立ったため吉野と警備員は変な競争を始めて最後おかしくなり、ふたりは声をあげて笑いあった。

 「警官になって何年目ですか?」

 「まだ、2年目です。だいぶ慣れましたがそれでもまだマルキ(機動隊)の仕事に慣れない事もたくさんあります。」

 「そっか、私も捜査一課にきて3年目だけどまだまだぎこちないところたくさんあります。早く一人前の刑事になれるよう努力しないと。」

 「あの、失礼ですけどお名前は?」

 「吉野優子です、優しいこと書いて優子。あなたは?」

 「自分は、第二機動隊の猪又優斗。優しい一斗缶の『斗』で優斗」

 『同じですね!』とタイミングが合いさらに笑いあった。

すると、警察庁の庁舎の方向から秘書と思われる女性を連れて一人の男性が吉野の方に向かって歩いてきた。パッと見て高身長な人だと吉野は思った

 「あの人かな?」

猪又も一緒にその男を見た。すると猪又の顔から血の気が引いていき、吉野はこのことに気がついたが客人を不愉快な思いをさせないとカバーしながら男性を迎え入れた。

男性が、吉野を見てにこやかに声をかけて来た。

 「あなたが今回、担当してくださる方ですか?」

 「今回案内します。吉野優子です。本日はよろしくお願いします。」

 「警察庁総務課次長の比嘉雅仁です。どうぞよろしく。」

次に比嘉は猪又に目をやった。

 「ところで君は?」

 「自分は、警備課第二機動隊の猪又優斗です。」

そうというと特に話をしようとはせずに吉野に目線を向けた。この空気の重い空気を感じ取り吉野は半ば強引に比嘉を連れて行った。

こちらにどうぞと案内をし入り口へと招いた。

 一度、比嘉は立ち止まり猪又に声をかけた。 

 「優子ちゃんに優しくしてもらったんだろうけど、あまり関わらないで君とは不釣合いだよ。これはアドバイスだからね。」

じゃあねと声をかけて入り口に向かっていった。その姿を目で送りながら寒くもないのに猪又は体を震わせた。

『モンスター』とつぶやいて再び警備に集中した。    

  

小説を書きながら艦○○やって、あるゲーム実況者のゾンビやっつける動画を見て注意力が散漫でした。


ここで出てくる(深沢)や(猪又)は長野の方で多い名前です。

サブキャラクターの名前はそこから浮かんでます。

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