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遅れること9日…

やっと、次話投稿しました!


「…たかが庶民の癖に。」


「何よ、えらそーに…」


ひそひそーこそこそー

視線が突き刺さります。

私には哀れみの視線が、そして彼女には恐らく非難の視線が。


美しき花であるはずの乙女達の姿は、そこにはありません。


…まあ、そうなりますわな。


あ、皆さま。

こんにちは、こんばんは、ご機嫌よう。

リリアーネ・エクステリアスです。


高校生活が始まって、わずか1ヶ月です。

乙女ゲームの攻略は、うまく行っているようです。


頭も目もきんきらきんで目がしばしばする、いずれこの国で最も尊いお方になる予定の方の隣には、ふわふわの栗色の髪がゆらゆら揺れています。

そう、このゲームー光猫のヒロインです。


彼女の名前は、ユウナ・オートリア。

オートリア男爵令嬢です。

くるくるふわふわとした栗色の癖っ毛に、同じ栗色の猫目の持ち主です。

ほわほわしていて、見るからにいい子そうなんです。


私のthe悪役令嬢な見た目とは異なり、theヒロインな感じなんです。

なんで、こんなに対比みたいな見た目にしたんですかね。

流石に縦ロールにはしてませんが、悪役令嬢な見た目だとビビられるじゃないですか。

人間関係築くの不利じゃないですか。


…愚痴っても仕方ありませんね。

少なくとも見た目に拘らない、いい友人に恵まれましたから。

それでいいでしょう!


「リリー?早く行かないと遅刻するわよ?」


「次、歴史だよ?あのおじいちゃん先生、ペナルティ厳しいから遅れたくないんすけどー?」


ソフィーとカイリが心配そうに見ています。

ごめんなさいね。

ぼうっとしてました。


あ、ちなみに高等部では、ソフィー達と行動する事が多くなりました。

部活は、カイリは今回も剣道部、ソフィーはレリィ先輩にまた上手く言いくるめられて生徒会執行部です。

私は高等部では帰宅部ですよ?

レリィ先輩に引き込まれそうになりましたけど、上手く逃げました。

…もし断罪されたら申し訳ないですしね。


「リリー様?ご学友の方々が待っておられますよ?行かれなくてよろしいのですか?」


「あ、ごめんカナ。ぼけーっとしてた。」


「またですか?いつもこの様な調子なのでしたら…」


「あー…いつもかどうかはなんとも言えないけど、大丈夫よ。ソフィー達も分かってるし。それから、何度も言うけど敬語じゃなくても…」


「いいえ。私はリリー様の従者でございます。流石に立場は弁えます。」


「そう…」


小さい頃は友達みたいに接してくれたのになぁと思ってたりはしませんよ?


あ、そうです!

今隣にいてくれている、柔らかい雰囲気を持ちモカブラウンの髪をきっちりお団子にした女性は、在りし日のカナです!

カナリアです!


実はこの学園、高等部では従者をつけるのが習わしらしくてですね。

あまり乗り気ではなかったのですが、カナについてもらってます。

あ、いや、カナが嫌なわけではないんですよ。

単純に、従者をつける=1人じゃ何もできないみたいで抵抗があるんです。

カナはいい子だし、元々仲がいいので2人でいても気楽ですよ。


ちなみに、ソフィーにも従者はついています。

ラムダというらしいです。

男装の麗人っぽい雰囲気をもつ、イケメンな侍女さんです。

戦闘メイドらしいですよ。


あ、カイリには付いていません。

『私、庶民だから。従者なんていたら、しんどいだけよ』と笑っていました。

強い子ですね。


「リーリィ!遅いよぉ」


「あ、ごめん…」


「ごめんは聞き飽きたー!急ぐよ!」


カイリに背を押されつつ走りました。

…ちょっと運動部のペースに合わせるのはキツいです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ちょっとは、身分を弁えなさい!」


「そーよ!リヒト殿下もお困りよ!」


「え…そんなつもりじゃ…」


「何がそんなつもりじゃない…のよ!そんなつもりだったのでしょう?」


「少しはリリー様の気持ちも考えたらどうかしら?」


「往生際が悪いわ。」


「そっそんな…」


怯えた顔をした、あどけない少女に詰め寄る、綺麗な顔を歪めた少女達がいます。

それはさながら、兎を狼が群れで襲う様です。


醜い…ですね。


っと見てるだけではいけませんね。

ここは、校舎裏の空き地です。

私だって、ソフィーにパシられて通りかかったくらいですし。

声を上げても、気づいて貰えないかも知れません。


見かけた人が助けるべきですよね。

ヒートアップする前に止めに行きますか。


「あら…皆様お揃いで。どうなさったの?」


「あ…リリアーネ様。」


「ご…ご機嫌よう。」


皆さん、顔面真っ青超えて真っ白です。

大丈夫でしょうか。


「どうやら、大変盛り上がっていたようですわね。私も混ぜてくださる?」


「や、あの…これは…」


「これは…なあに?」


分かってますよーほんとはぜーんぶ分かってます。

でも、あえてわからないフリをしておきましょう。

何も分かっていない、話に混ぜて欲しい御令嬢を演じます。


「いや、あの…」


「しっ失礼しましたーー!!」


「あら…どうされたんでしょうか?逃げられちゃったわ…顔が怖いからかしら…」


お芝居上手くないですか?私!

この吊り目が役に立つ日が来ましたね!


さ、後はヒロインさんに声かけをしなくては…


…あれ?これ私、フラグクラッシャーしてません?

このイベント、ゲームでありましたよ?

たしかこれ、王太子さまのイベントでしたよね?

|悪役令嬢【リリアーネ】が、ヒロインを虐めていて転ばせているところに、王太子さまが助けに来るんです。

私が虐めないので、強制力が働いたんでしょうね。


…実は、乙女ゲームの事、結構忘れてたんですよね。

ごめんなさい。


って、またやっちゃいました。

ヒロインさんに声をかけましょう。


「あの…ユウナ様?大丈夫でしょうか。」


「え…あ、はい…」


「そう?なら良かったです。」


…ん?


あれ?


ヒロインさん動きませんけど。

予定があったなら、向かえばいいのではないでしょうか。

なぜです?


…私が去るべきですね。

行きましょう。


「…なんで?これ、リヒト殿下のイベントよね…好感度は足りてるはずよ。何がダメだったの…」


何か呟いてますね。

なんでしょうか。


「どうされました…?」


思わず気になって、声をかけ顔色を見た瞬間…


“パキッ”


小枝を踏む音が聞こえて

続いて


「ユウナ?それと…リリアーネ嬢?」


きんきらきんの人の声が追いかけてきました。

あ…これ…


もしかしなくても、やっちゃいました?








お待たせしてすみません。

皆様の代わりに、作者をビンタしておきます。


あ、そう言えば!

総合が300超えました!

ありがとうございます!!


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