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読んでくださりありがとうございますm(_ _)m
…あれから3日経ちました。
体力は全回復しました。
でも、沢山寝たので足腰バキバキです。
やっぱり、ちゃんと動かないとダメですねぇ…
「リリー様。あまりご無理はなさらないようにしてください…」
「大丈夫よ。寝過ぎると腐っちゃうし。」
「…ですが…」
「もう。ラナンは心配しすぎです!」
「リリー様お付きなので、当然です!」
ラナン…私付きの侍女さん…は、頬を膨らませてプリプリ怒っています。
彼女はまだ16と年若いですが、私付き侍女さんのチーフです。
優しくて心配性なお姉さん的存在です。
「リリー様は、もう少しお体をご自愛ください。」
「…んーそうは言ってもねぇ…」
私がパン屋の娘になるには、王太子様に見初められなきゃ行けないんですもの。
もうひたすら、努力、努力、努力ですよ。
今日だって、朝から歴史の勉強をした後に、ウォーキングレッスンをしています。
ちょっとしてないだけで、大分下手になっちゃってます。
「リリー!今日はもう終わりにしたらどうだい?」
「おとうさま!」
庭園の奥の方から、わざわざ来てくれました!
どうなさったんでしょうか…
「リリーは病み上がりなんだから、無理はしないでくれ。大事な可愛い娘よ。」
とても30越えのオッサンには、見えない柔和な顔を崩して、お父様がお願いしてきてます…
でも、ごめんなさい!無理なんです!!
「でも、おとうさま。ちゃんとレッスンしなくちゃ、りっぱなおねえさんになれません!」
「別に立派じゃなくてもいいんだよ。リリーはそのままが1番だよ。」
「きゃ!」
お父様ぎゅーってしてきました。ぎゅーって。
流石に苦しいですぅ!
え?ひらがなが多いですか?
仕方ないじゃないですか。これでも5歳なんですから。
精神年齢がどうであれ、あまりボロを出さずに育たなきゃいけないですよ。
これは、私が99回転生して学んだ事の1つです。
話し言葉は年相応であるべしって訳です。
え?なんでラナンにはそうじゃないのかですって?
信頼してるからなのと、誤魔化しが効くからですよ〜
ラナンは私が今よりもずっと小さい…それこそ3歳とか…の頃からお世話してくれてます。
なので、私の知能が3歳児にしては異常でも大丈夫だったんですよね…
ん?3歳の時は記憶ないじゃん…ですか?
それがですね…なぜか知能はあるんですよ。
あ、なんか分かるーって。
だから、この世界で神童って呼ばれてる人の7割くらいは、転生者なんじゃないかなぁ。
え?違いますか?
別にいいんですけどね。
「そうだ。リリー。甘くて美味しいお菓子を、料理人達が作ってくれたよ。一緒に食べようか。」
「はい!おとうさま!!」
ここは素直に従っとくが吉ですね。
あまり駄々こねても、わがままに見られて終わりなので。
「リリー様。」
「はあい?」
「今日はもう、そのままお休みになられたらどうですか。」
「だめよ!まだ、ウォーキングレッスン終わってないもの。」
「ですが…」
「分かったわ。お母様とマナーレッスンしましょうか。」
「おかあさま!」
突然のおかあさま登場です。
またも不意打ちですね…
「…そうでございますね。リリー様。休憩がお済み次第、奥様とマナーレッスンをされてはどうでしょうか。」
「んー…」
まあ…ラナンもお母様もお父様も反対みたいですし…
妥協案としてはありですね。
「わかりました!おかしたべたら、おかあさまとマナーレッスンします!」
「あぁ。そうしなさい。」
「カトラトリーの使い方から一緒に覚えましょうね。」
「はい!」
…マナーレッスンは、王族に転生したときやったけど。
まあ、マナーアップには繋がるし、いいか。
「おいで。」
ん?その手の広げ方は…まさか抱っこですか?
これは…行くが吉!
羞恥心なんて捨てましょう!
「抱っこしてください!!」
「おお。」
うわ!地面が遠い!!
怖い!!
私は高所恐怖症なんですよ…だって時計塔から落ちて死んだ事あるんですもん…
「ん?怖いか?」
「いいえ!こわくないです!おとうさまなので。」
「そうか、そうか。」
お父様ニコニコ上機嫌です。
こりゃ、あれですか?
娘煩悩ってやつですかね?
よく言いますよね。父親は娘に弱いって。
まあ、お母様もニコニコしてますし…
あれ?もしかして、溺愛されてます?
それはそれで、めんどくさ…ごほん。失礼。大変なんですけど…
「ディナリス。クッキーあるか。」
「勿論ございますよ。どうぞ。」
ディナリス…料理長さん…がその恐ろしい顔を少し緩めて、クッキーを差し出してくれます。
おお。美味しそうです!!
焼き立てのいい香りがします!
「お嬢様もおひとつどうぞ。」
「ありがとうございます。」
「いえ…」
「「「いいや、1つと言わずどんどんどうぞ!」」」
わ!びっくりしたぁ…
料理長さんの後ろから料理人さん達が叫んできました…
野太いです…
「こるあ!お嬢様がびっくりするやろ!おめーらは自分の仕事しーや!」
「「「「はい!すみません!」」」」
わ、親方(料理長さん)怖いですね…
親方感ましましになってます!
「すんませんね…あ、どうぞ、お取り下さい。おいときますね。」
「はい!ありがとうございます!」
さて、お勧め二回もされましたし…
1枚たべましょう!
いたたきまーす。
!
「おいひいです!!」
「リリー様、口に物を入れたまま喋らないで下さい。」
「ご、ごめんなさい…つい…」
でも、それくらい美味しかったんですよ!
甘くて、香ばしくて、美味しくて…
「はは。そんなに美味しいか。おいで、リリー。向こうでちゃんと座って食べよう。」
「はい!」
あちゃー。
立って食べてましたね。はしたないです…
まあ、でもそれくらい美味しいって事で。
…少し、カロリーが気になりますけど、なんとかなりますかね?
とりあえず、美味しいので良しとしましょうか。
…あら?なんか引っかかってた事があった様な気がしますけど…まあいいでしょう。
ーーーーーーパン屋の娘になりたい令嬢は、自分が溺愛されてることに気づくが、クッキーを食べてどうでも良くなる。ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回くらいから、日曜日の更新から月曜日の午前7時くらいの更新に変更したいと思います。
すみません…