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呼んでくださりありがとうございますm(_ _)m


第一話、拙すぎてすみませんでした…

「リリー!目を覚ましたのね!!」


「良かった!!」


高熱にうなされ、3日と半日。ようやく目を覚ました私の目に飛び込んできたのは、喜ぶお父様とお母様。


…声は…相変わらず、出ないのですね。


そして、わたくしの記憶が正しければ、今は5歳でしょう。

おそらく流行病にかかって高熱にうなされていた…


あー、今回はこのパターンなんですわね。


私が転生した事に気付けるパターンは、全部で3つありますの。

1つ目は、こんな風に高熱にうなされるパターン。

2つ目は、ほんの赤ちゃんの時にふと思い出すパターン。

そして3つ目は、因縁の相手にあった時に思い出すパターン。


今回は1つ目でした。


このパターンは暑いし苦しいけど、後々一番楽なのです。

2つ目は、膨大な日数を寝て過ごさねばならず、喋りたいのに喋れない、動きたいのに動けない、そんな地獄の日々を送らなければならなくなります。

3つ目は、言わずもがな。後々とてもめんどくさ…失敬。大変です。


あら?何を言ってるわからない…ですか?


転生している事は前の話でわかったから、とっとと置かれてる状況説明しろ…でしょうか。


分かりました。説明しましょう。


私は、リリアーネ・トパーズ・エクスタリアスと申します。5歳です。トパーズの名を与えられた、誇り高き辺境伯爵家の長女です。

先程も申し上げました様に、前世の記憶がございます。

99回と5年分の。


え?多すぎますか?


ですよね。ええ。私もそう思います。

3回目くらいまでは、転生自体も物珍しくワクワクしておりましたが、最近ではそうでもありません。


またか…くらいにしかならなくなりました。


慣れって恐ろしいですわね。


…ってそうではございませんね。


詳しく説明いたしますと、私実はずっと女性にしか転生してきていません。


ですが、同じ女性と言っても色々な人生がございました。

悪役令嬢な人生でしたり、病気がちな人生でしたり、社畜な人生でしたり…

異世界にぶっ飛ばされたのに、平民になった事もしばしばです。


…え?一番幸せだった人生…でございますか?


それは、勿論。異世界平民落ちです。

パン屋の娘に転生しまして、近所の靴屋さんの息子さんと結婚した人生が1番楽しかったですわね…

なんのゲームの世界かは分かりませんでしたけど、異世界だと言うのにほのぼのとして、かなり幸せでした。


そんな生活できるならしたいですわね…


…あら?そういえばこの世界の説明をしていませんでしたね。


この世界は『光の乙女と時計の世界〜猫の不思議を追いかけて〜』という、ひとつ前の人生で大人気だった乙女ゲームの世界です。

かく言う私も、このゲームのユーザーでしたわ。


このゲーム…通称“光猫”は、その名の通り時計と猫を巡るファンタジーが主軸でした。


このゲームは踊り子の娘であるヒロインが、男爵家に養子に取られる所から始まります。

彼女は持ち前の天真爛漫さをフル活用しまして、攻略対象達の止まってしまった“心の時計”を動かす…という物語です。


その壮大なストーリーと美しいグラフィク。豪華な声優陣と、美しいスチル…その全てによって、普段から乙女ゲームをしていない女の子達にも広く愛用されておりましたわ。

 

そして私は、そのゲームのメインヒーロー王太子様の婚約者…つまり悪役令嬢でございます。

身分が高い事を鼻につけ、事あるごとに高飛車な態度でヒロインを虐めてきます。

しかも、やる事なす事全てが姑息。しばしプレイヤーをイライラさせる存在でした。


…え?死亡フラグですか?


ええ。勿論ありますわよ。というか殆ど全てにおいて死亡フラグが立っております。

良くて平民落ち、悪くてナレ死(※)ですわね。


ちなみに、私、悪役令嬢に転生した事は数え切れないくらいございます。

どれもそれなりにこなせたと思います。時には何のゲームかわからないキャラもこなしました。

だから別に、死亡フラグ回避とかは目指しておりません…

もういいかなーって感じなのです。

そうですね…流されるまま生きてみましょうか?


……


…そうですわ!平民落ちすれば良いのです!!

平民落ちすれば、パン屋の娘になれるかもしれませんし、そしたら65回目の時みたいに幸せになれるかもしれません!

いいえ、絶対に幸せになれます!

そうです!パン屋の娘になって見せましょう!!


「…リリー?大丈夫かい?急に右手を突き上げたりして…」


…あ、やってしまいましたね。

ボロが出てしまいました。


ここは熱に浮かされた事にいたしましょう。


「…おとーさま?」


「!なんだい?リリー。」 


「つめたいものがのみたいです…」


「冷たい物?!アグネス!冷たい物だ!!」


「かしこまりました。旦那様。」


これで、暑すぎて意識が朦朧としていた事にできましたでしょうか…?


まあ、冷たいものは欲しかったですし、ちょうど良いですわね。

まあ、アグネス…侍女長さん…には申し訳ない事をしてしまいましたが…


それにしても、パン屋の娘になるために平民落ちを目指す…ですっけ?

平民落ちの方はそれなりに、生活力はございますので、なんとかなりますでしょうけど…

どうやったら平民落ち出来るのでしょうか…?

やった事がないので分かりませんわね…


…あら?そういえば、この作戦穴がありますわね。


私が、王太子殿下の婚約者に、選ばれなければなりませんわ…


…ということは、今以上に令嬢教育にストイックにならなければいけませんわね!!

そうと決まれば、頑張りますわ!!




パン屋の娘になろう作戦 その1。ーーーーーーーーー

完璧な令嬢になって、王太子様の婚約者になりましょう!



ブックマーク、ありがとうございます。

とても嬉しいです!!


もし宜しければ、評価等もお願いします!



※ナレ死→ナレーション死の略。

     ナレーションで死亡が知らされる事。



***

ちなみに、今日から夜8時に投稿しようと思います。



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