〜プロローグ〜
遥か昔――
まだ世界に名がなく、空も大地も、光も闇も定まっていなかった時代。
そこには、ただ一つの“器”が存在した。
甘き慈愛。
苦き試練。
生と死。
創造と破壊。
相反する全てを受け入れた、その究極の存在。
後に人々は、その名をこう呼んだ。
――真の創造主、プリンアラモード。
プリンアラモードより生まれし世界は、幾千万の時を経て、数多の神々と英雄を生み出した。
再生を司る白はんぺん。
終焉を司る黒はんぺん。
闇を否定ではなく完成へ導こうとした異界滅神ブラックチョコレート。
最高神キャラメルフラペチーノ。
混沌を求めた暗黒邪神ゴルゴンゾーラ。
そして、常識という器を超え、逕味の果てに最強へ至った闘神みたらし団子。
これは、神々の物語である。
だが、ただの神話ではない。
時に神は笑う。
時に神は泣く。
時に神は怒り、迷い、敗れる。
なぜなら完全なる存在など、この世界には存在しないからだ。
甘さだけでは、世界は腐る。
苦さだけでは、世界は生きられない。
光あるところに闇は生まれる。
ならば、闇の中に光は存在するのか。
その答えを求めて、神々は幾度となく剣を交えた。
白き希望と黒き終焉。
創造と破壊。
始まりと終わり。
その全ては、同じ食卓の上にあった。
そして、神代最後の日。
世界を喰らわんとする異界の闇と、
世界を守らんとする神々による、
史上最大の聖戦が始まる。
これは――
神々が紡ぎ、
英雄が受け継ぎ、
人々が語り継いだ、
“味”による創世の記録。
『神饌戦記 〜甘苦創世譚〜』
ここに開幕する。




