↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼海の奏者  作者: 鮭いくら
第1章
PR
5/125

【5】



朗らかな日和の中、メイドのナタリーが淹れた紅茶の香りを楽しみ、口に含む。ファクトヒルデ公爵家の庭園は噴水や池があり、キラキラと水が輝いて反射している。

手には本を持ち、まさしく貴族のティータイムと言うに相応しいだろう。


……まあ、本の内容はメイルーンになる前の記憶や蒼海(そうかい)奏者(ローレライ)のゲームプレイを思い出しながら書き殴った、日記のようなものなのだけど。






私は日本人であり、16歳の高校生だった。

もう少しで高校2年生になる所で、恐らく事故にでもあったのだろう。特徴的な音は耳に残っている。…何か忘れてる気もするのだけど。

そして多分、死んだ。次に目覚めたら美少女になっていた、とかこういうの本当にあるんだね。

蒼海の奏者については、難しいから易しいまである難易度選択可能な乙女ゲーというのはこちらに来てすぐに思い出した。

難しい難易度でやり込み、各キャラクターのトゥルーエンドを見るほどやり込んでいたが、いかんせん10歳の頃の記憶だ。5、6年前より中学生の記憶の方がまだ覚えている。中学生の頃はあまりゲームなどはせず、部活に勤しんでいた。

日本人である【私】の情報はそんなものだ。

対して今の【私】であるメイルーン・ウンディーネ・ファクトヒルデは、設定に溢れていると言って良い。






このファンタジー溢れる世界で、大陸1と言われる広大な国土を持つソルアルファ帝国。

帝国のトップは勿論皇帝陛下であり、その手足として貴族制度が導入されている。その貴族の中でも四大貴族と呼ばれる公爵家がある。

四大貴族は四大元素である地水火風の属性別に地のノーム、水のウンディーネ、火のイフリート、風のシルフの名を(いただ)く事を許され、ファクトヒルデ家は水を司るウンディーネの名を戴いている。


メイルーンはファクトヒルデ家の長女であり、皇太子の婚約者である上に両親からの寵愛を受けていた。その立場や寵愛を利用してわがまま言い放題、癇癪持ちで当たり散らし、全て自分の思い通りにいかないと喚き散らす。

まだ10歳だが現時点で悪役令嬢、いや悪徳令嬢と言えるだろう。

そして1番の問題はこのメイルーン。このままで行くと2年後に四大貴族の称号と皇太子の婚約者の立場を失うのだ、それも自分のせいで。




それこそ今の10歳の頃はまだなのだが、この後帝国では禁忌とされる闇の魔法に手を出す。そして自分で動く事を嫌がったメイルーンはお父様に闇の魔法をかけて操り、動いてもらう事にした。


帝国の程近い海底には、古代から眠る海魔がいる。


その全世界を海へと飲み込めるような絶大な力を得ようと目論み、実際にお父様を利用して復活させる事に成功する。しかしそれは破滅への道であり、古代海魔の怒りを買ったのだ。ファクトヒルデ家の領地は壊滅、水没し水底に沈んだ。

お父様は処刑された。ファクトヒルデ家はウンディーネの名を剥奪され、皇太子との婚約も解消された。メイルーンが父親を操っていた事実は明るみに出なかったものの、その家名には一生拭えない汚名がついた。


そしてこの時、古代海魔を再び封印し事態の収束に貢献した第一人者がアーバハン男爵家。

何を隠そうアーバハン家はゲームの主人公の生家なのだ。この事件の功績からアーバハン家はウンディーネの名を戴く事となり四大貴族の一員となった。






そしてこの出来事は、ゲーム本編の5年前の話になる。

つまり現在で言えば7年後、メイルーンが17歳の時がゲーム本編の時間軸だ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。