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0490勇者の決意
「ちょ、ちょっと、あんた、どこに駆けてくのよ!?」
「ゆ、勇者様、治療はまだ終わってませんわ!」
「勇者様-! 僕もついていきますよー!」
一行は獣道を通って山奥へ踏み入った!
森の中から、一向に向かって矢が飛び交った! 危うし!
「貴様ら、コボルトがどれだけ軍備を進めたかは知らんが、皆殺しだ、勇者ナマエナンダッケ斬!」
勇者の剣は一振りで全ての矢を跳ねかえして、射手の元に打ち返した、嗚咽が聴こえ、
木々の上から無数の影が地に堕ちた。
「勇者ナマエナンダッケ斬!」
大木がいくつも倒れて獣道を駆け回るコボルトたちのゆくてをふさいだ。
「勇者ナマエナンダッケ斬!」
逃げ回るコボルトを一人残らず叩き切った。
「いたた! なにがなんでもやりすぎよ!? ん、開けた場所に出たわね!?」
そこにはコボルトの万軍が防衛陣地を築いていた。
「ほう、よくもやる、面白いな、あれが人間の勇者か」
髭を伸ばしたコボルトは東洋の着物を羽織って、
腰に刀を差し、遠くにいる一行を眺めみた。
「だが、これは戦争だ、一人で何が出来る? この流れにはもう抗えんよ」




