血の雨降る七夜目1
浄霊師をともない、城へ戻る。
浄霊師には別室で待機してもらい、私は一人でランドルフ様のお部屋へと向かう。
ランドルフ様には、もう一度機会をくださりませんか、と手紙を用意していた。返事は届いていたが、「部屋へ来い」の一文だけだ。
部屋をノックすれば入れ、とつっけんどんな声がした。
部屋の前には護衛の兵が立っていたが、素知らぬふりをして入るように指示される。ランドルフ様のこういった逢引きは珍しくないようだ。
部屋に入りまず刺激されたのは、嗅覚でそれから、赤と金を基調にした調度を資格がとらえる。刺激臭がして幻覚剤の気配が濃厚だ。
ランドルフ様は椅子に座しており、こちらを胡乱な目で見つめていた。
「随分と熱心だな。そんなにこの前の情事がよかったのか?」
煽り文句はもはや、ランドルフ様のご挨拶のようにも思えた。
「そうですね。忘れられない出来事であったのは、間違いありません」
私はそう告げてランドルフ様のお近くへ近寄らせていただく。
「お前を王妃にしてやってもいい。メアリは所詮貴族の子。子を産む他に力を持たない。お前ならば俺を護るための盾にもなるだろう」
ランドルフ様の不遜な物言いもまた、日常会話でしかない。恐らくどんな女性もあるいは男性も、ランドルフ様にとっては手駒でしかないのだ。




