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手紙の真相5
その日のうちに、ヴィルヘルム様が軍の司令官になると公示された。
しばらくは兵長と兼任するらしい。私の元には生家からの通達が来る。新しい婚約先の話だ。
父は軍神をまつる神殿の神官だ。私の家では七つで祝福を受け、力の強い巫女は加護を受ける。軍の関係者に嫁いだお姉様方はそれぞれ加護を受けていた。
私は加護を受けずに、さらに手先も不器用なために兵を志している。末娘だったこともあり、問題視されなかった。
その折に、ライオネル様がかねてから懇意であったご令嬢と婚約破棄なさったことで、私に白羽の矢が立っただけだ。お互いに妥協のある婚約だった。
二度目の婚約は相手方からの申し出であったと聞く。
届いた文を見て驚くのと同時に、戸惑いに襲われた。数週間前に届いていたなら、飛びあがって喜んだかもしれない。
ヴィルヘルム様が私の新しい婚約者となった。




