近衛兵の変死3
そこへウィリエール様がやって来た。するっと私の背後に近づいてきて、
「魔法の気配だよ」
と呟くのだ。
気配もなく近づいてきた王子に、
「ウィリエール様っ!」
驚きのあまり大きな声をあげてしまう。
ヴィルヘルム様や刑務官、さらには仲間の兵たちが一様にこちらに視線を向けた。
「ウィリエール様。たった今検分をしております。お目汚しになるかと」
ヴィルヘルム様がそう言うけれど、ウィリエール様は構うことなく、兵のそばにしゃがみ込んでいく。そして、手の平で扇ぐようにしながら、兵たちの頭上の湯気を吸いこんでいった。
「芳醇な香りだね」
ウィリエール様の呟きの意図はヴィルヘルム様をはじめ、他の兵にもきっと分からない。祈りの言葉を唱えて、ウィリエール様は兵のそばを離れた。
「ヴィルヘルム。しばらくはランドルフお兄様と、リドムンドお兄様には兵をつけない方がいいと思う。またこんな風に始末をつけられてしまうかもしれない」
「なぜです?もしお二人が狙われているなら、さらなる厳重な警備をしなければいけません」
「いくら人員を配置しても無駄だと思うよ。もし、効果があるとすれば」
そこでウィリエール様は私の方を見た。
「お兄様に軍神の巫女の護衛としてつければいいと思う。例えば、ミリアのお姉様達、ミリア自身もかな」
「え、ウィリエール様それは」
ランドルフ様やリドムンド様の元に、私やお姉様達が護衛につく?




