結末
現れたその白い女を見て、私達は予想通りだとため息をつきたくなった。
この城で捕らえた白い女はすでに、次に生まれる命に変化して消えてしまっていたらしい。
私達が別荘に移動してすぐの事だそうだ。
なんでも、『アイツの養分になるのは嫌』であるらしい。
それが話の様子では別の仲間ではあるようだった。
どういった関係の人物たちかは分からないがそのような話であるらしい。
けれどそれならば、この白い女が来ていた衣服にその気配のようなものがついているのでは、といった話になった。
捕えた白い女の方は空気になるように消えていったらしいが……この服には気配が濃厚に残っているように感じる。
私がこれほど嫌悪感を抱くのだからそうだろう。
気色が悪いがその布を、城の人たちを避難させてからまるでそこをたどるように床を滑らせて特定の場所に誘導する。
ちなみにこれは正解であるらしい。
上手くいけばすぐに一発で倒せる方法だとミナトから聞いていた。
気づかれないように罠を張り、罠を設置できるような大きな場所でその中央においておく。
後は、白い女が来るのを待つばかり。
まさか私達がすでに城に戻ってきているとは思っていなかったのだろう。
その油断が功を奏したようだ。
むき出しにしてにらみつけてくる白い女。
「どうしてここにいるの」
「さあ、どうしてかしら」
「こんな罠、私の力で……この」
「これを作るのはとても大変でしたわ。皆に手伝ってもらって、ようやく作れたのですもの」
「こんな……もの……」
そう言って必死に抜け出すとするが、私は事前にミナトから聞いていた。
最後に使う技について。
これは大技になるが、私には経験が足りないという。
けれどその能力を一回、もしくは二回ほどゲーム内で使えば確実に倒せるという事前に聞いたのだが、その時ミナトは渋い顔で、
「どんな副作用になるか」
「……それでも、やるしかないならそうする。それにいざとなればハルト王子にどうにかしてもらうわ。……そういえばハルト王子の力を使えばロジェンを女の子にしたのを元に戻せるのでは」
『やめた方がいいのぅ~』
そこでどこからともなく声がした。
ミナトがはっとしたように、
「おい、神様か!?」
『そうだのぅ』
「聞きたいことがあるんだが」
『全部終わってから、お茶でも飲みながら話をしよう。そこに他の人たちものぅ』
といった声が突如聞こえてミナトがそんな会話をした。
どうやらこの世界の神様で、あの白い女を倒したら説明をしてくれるらしい。
といった出来事があり私は最後の大技を覚えた。
髪に一部編み込みが入ったりしたが、何とかなった。
この中で一般人のイレイズにはとりあえず、もしもの時に伝える役目をしてもらうことに。
後は魔法を使うだけ。
事前準備は徹底的だった。
そして今、私は。
「“白銀の聖火”」
そう魔法を使う。
轟音とともに捕えられた白い女が銀色に輝く炎に包まれる。
これでどの程度……そう思っていると、白い女がとろけながら突如私達の方に向かって手を伸ばす。
罠が完全にとらえきれていなかったのか。
そう思っていた所で、イレイズが閃光弾のようなものを立てて大きな音を立てる。
そちらに白い女の意識が一瞬それて、そこでハルト王子とロジェン、ミナトが魔法で軽く攻撃する。
罠の方に力を注ぎこんでしまったため……短期間で強力なものを投入したため、に、ほとんどの魔力を使い切っていたのもある。
でも私は力が温存されていた。
今日、この日のために!
「“白銀の聖火”」
もう一度力を使うと完全に白い女の姿は消え去り、微かな断末魔の悲鳴が聞こえた気がしたのだった。
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