噂話の情報を交換
とりあえず話を聞いた範囲では、ロジェンは特別であるらしい。
こういった副作用が二つも出てくることは今までにはないそうだ。
ロジェンに関しては今後も様子を見た方がいいかもしれない。
そういった話を聞きながら私はミナトに、
「白い女は四人程度なのかしら」
「俺の知っている設定だとそうだな。そして残りが二人。一人がリリー達の国の城で捕まえられている人物でもう一人がいるが……」
「その人物の特殊な力はどんなものになっているの?」
「設定上は、“時間操作”だったはずだ」
「“時間操作”?」
「そう、時間の経過を早めたり、遅くしたり……そういっただけの能力のはずだ」
「……十分恐ろしい能力のように聞こえるけれど」
「いや……空間にまで影響を与えるタイプだと、もっと恐ろしいことになりかねないからな。それなら危険だが、魔力で押し切るのもそこそこ可能だろう」
とミナトは言うが、そういったものに関しては私はよく分からない。
けれどミナトが想定している“危機”は現状の所なさそうなんでその話は置いておくことにする。
ミナトの場合彼の世界はこの世界と異なるものであり、私達が想像したものとはまた違う思いもよらない“概念”で動いているようだからだ。
その“概念”を共有していない限り私も含めてミナトと会話をしても、理解できるとは限らない。
とりあえずは現状でさらなる危険に見舞われることはなさそうだ。
だからそれ以上の話は求めない。
代わりにこの白い女について、
「今後、その白い女に関してはどのような展開が待っているの?」
「リリーは今後の展開関係はまだ見ていないのか?」
「ええ」
「……“聖女”としての能力では全く見えないのか。だが、ここで説明したら能力が発動しなくなるかもしれないのか」
「そう……なのかしら」
「可能性が考えられる限り俺は手出ししたくないな。“聖女”の能力は俺の持っていない能力も幾つかあるし……能力に介入して目覚めさせられるとはいえ、“副作用”が“聖女”の場合どのように現れるかは分からないからな」
そう言ってちらりとロジェンの方を見る。
そこでロジェンは、
「でもそうなると、リリーの見たその光景がこちらに分かるまで、その話はオア付けかな?」
「そうなるな」
「……でも、噂話の情報を交換したり、合わせて相談したりする分には……その“未来予知”に当たる部分には影響しない」
「そうなるな」
「だったらその部分の話をしよう。ミナトはその白い女関係の話を何か知っている?」
「時間操作に関するような噂は聞かなかったな」
「ボクも聞いたことがないかな。やっぱりそういった能力だと……家が一晩で廃墟に? といった話になるのかな?」
ロジェンはそう口にしたところでそれまで黙っていたイレイズが、
「そういった怪談話なら聞いたことがあります。なんでもアザーカスの村の近くに大きな屋敷があって、そこの屋敷が一晩で、まるで崩れ落ちるかのように腐り、砂の山になったと。屋敷にいた貴族も行方不明だといった話です」
そう言いだしたのだった。
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