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格好良かった

 こうして山道を私達の馬車が走っていると、盗賊が出た。

 どうも、貴族の乗っている馬車だと感づいたらしい。

 御者の人が止まったらしいが大丈夫だろうか?


「怪我をしていないといいのだけれど」

「……そういって様子を見にこうとするな。リリー」

「でもあの程度、いつもの“遊び”で……」

「昨日の今日で疲れているだろう?」


 別に疲れていないわよ、と言い返したかったが、俺の出番が今回はなかったからと言って出て行ってしまう。

 彼の能力に疑いはないけれど、やはり気になってみていると、いとも容易に山賊は倒された。

 その姿は魅入られてしまうくらい、ハルト王子の剣技は素晴らしいものだった。


 気づけば全員倒されてまた戻ってきたハルト王子が目の前にまでやってきていた。

 どうやら私は見とれてしまっていたらしい。


「どうだった?」

「……格好良かった」


 そう告げると、ハルト王子はどこか機嫌が良さそうだった。

 そんなこんなでさらに進んでいきとある村に休み、またさらに進むこと三日。

 宿に泊まりながら、ちょっとした情報収集と共にお土産の品などを購入した。

 

 けれどロジェンの情報は全くというほどない。

 予想はしていたけれど、本当に何の手掛かりもない。

 そしてまた宿に泊まり、夕食を食べた後ハルト王子は私に聞いてきた。


「それで、そのオトメゲームだったか? あの婚約破棄の話以外にどんなものがあるんだ? ロジェンの事で何かヒントになるような話はないか?」

「分からないわ。断片的だし。そうね……ほかに分かっているのは、その物語の主人公は、私以外にももう一人いたみたい」

「もう一人?」

「うん……確か、“ロシェ”という女の子だったわ。長い黒髪に赤い瞳の」


 そう私は答えたのだった。


 


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