姿をさらけ出す
ミナトが軽くいなすと、白い女は苛立ったように、
「不愉快だわ。なんでこんなものがいるの? これでは私達の目的に大きな障害になるわ」
「障害になるように送り込んだんだろう。俺だって、お前みたいのを相手するより早く帰りたいんだ」
「だったら早く帰ればいいじゃない」
「ところがそうもいかなくてね。お前たちを全員倒さないと“クリア”にならないそうなんだ。というわけで倒されてくれ」
「この……」
「もっとも俺が知らないことも幾つかあるからな。それも後で知りたい」
そういってそこでロジェンが魔法攻撃する。
炎の攻撃だ。
私もそれの力を相殺させないように炎の魔法をさらに使う。
そこでミナトは、雷の魔法を使う。
どうしてと思っていると、炎系の魔法を白い女は何とか防いでいるが、雷は平気なようだ。
それを見てミナトが、
「この辺りも“おなじ”だな。炎系の魔法で行こう。というか、聖女サマの方はそのあたりの記憶はあるか?」
「ないわ」
「どこまで“知っている”?」
「……たぶんあなたが言い合いことは予想がつくけれど……この屋敷に入るところまで」
「そうか。微妙に使い勝手が悪いのは顕在か」
そうミナトが呟いてから次に私に、
「それで、相手から能力を聞き出して本当の事かどうかを知る魔法は顕在か?」
「……何の話?」
私はそう聞くと、驚いたようにハルト王子は私の方を見た。
ロジェンは何のことだろうとこちらを見てからさらに炎の攻撃を繰り返す。
そこで白い女が舌打ちをしたのが聞こえた。
「余計なことを……いえ、早めに全員倒すか殺して素材にして、使えばいいわ。記憶なんて幾らでも塗り替えられる」
「……させない」
私はそこで、何か引っかかるものを感じた。
そして、聖女が来ると分かっているのに、罠がないのはおかしいと話していた。
そして記憶を操る力がこの白い女にはあるらしい。
ここまで考えて私は気づいた。
そう、記憶から私の“聖女”としての能力が消されているようだ。
そもそもあった事すら覚えていない。
存在を記憶していても、認識できなければそれを思い出すことができない。
そういった事を思い出した私はこの白い女の罠に気づかないうちにはまっていたと気づく。
それに気づかされて……とりあえず、自分が打てる最高の炎の魔法を使う。
「“炎の綺羅星”」
そう呟いて私は、周囲に大量に炎を呼び出す。
聖女として目覚めた時に自分の魔力も幾らか強くなっていた。
だから以前よりもより回数をこの炎の魔法が打てる。
それにロジェンとミナトが一緒に炎の攻撃をしてくれる。
大分体力が削られているらしい。
そこで私は、この白い女の体力を表示させる。
すでに四分の一程度になっている。と、
「あ~、そういえばこういった物はなかったな。やはり体力表示があると、たたきやすい」
そうミナトは嗤う。
とりあえず今ので、ハルト王子と戦っている方の替えの体力も表示させておいた。
だいぶ減っているが、ほどほどに体の動きが鈍くなる程度の攻撃にハルト王子は抑えているらしい。
それをちらっと確認した私だがそこで、
「こっのおおおおおお」
白い女がそんな声を上げて……自身のその木の皮のような姿をさらけ出したのだった。
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