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31/62

【30】

決して視線を合わせない。話し掛けてくる気配もない。

ただ、常にこちらに意識を向けているのは感じる。


「なぁ、桜ちゃん……」


「っ……」


ビクッとした。


「何か言いたいことでもあるのか?」


「い…いや?別にないが…」


「……」


車内に気まずい沈黙が訪れる。

空気を変えたのはゼロスだった。


「《倶利伽羅》って全員女性というのは本当か?」


「…本当だ」


「不安はないのかい?」


「ん…どういう意味だ?」


「いや、こんな世界だ…男がいた方が心強いだろ?」


車内の空気が、気まずさから緊迫感に変わった。


「お前、私達を愚弄する気かっ!?」


「…………は?…え?」


ゼロスは、何故、桜の怒りを買ったのかわかっていない。

マコトに救いを求めこちらを見てくる。


「(おいおい、俺を巻き込むなよ)」


と思ったが、泣きそうになっているゼロスを放っておけなかった。


「まぁまぁ桜ちゃん。ゼロスも別に他意があるわけじゃない。純粋な興味だよ、興味。なぁゼロス?」


「そ、そうだよ桜さん。女の子だけのギルドで心配してるんだ!もし困ったことがあれば是非《ソー」


「あ…バカ…」


殺気が膨れ上がった。


「フ…フフ、フフフフ。どうやら殺されたいらしいなぁ!ゼロスッ!!」


桜が剣に手を掛ける。


「……え?…なんで?」


再びマコトに救いを求めこちらを見てくる 。

が、マコトはそっぽを向いた。


「(一度、やられなさい)」


「な…ちょ、マコト……。さ、桜さん!誤解だ!ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

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