【28】
「救出部隊についてだが…。俺は少数精鋭が良いと思うがどうだろうか?」
「何故っ?!……アイツら舐めやがって。全勢力で皆殺しにすればいいっ!」
《倶利伽羅》桜。とてもうら若き乙女の言葉とは思えない。
「俺もそう思う。皆殺しに賛成だ」
卍丸が言う分に違和感はない。
「勘違いするな。皆殺しにするかどうかの話じゃないんだ…」
イザナギが諭すように話す。
「さっきの話に通ずるところがあるんだが……。街単位で考えた場合、戦力をなるべく下げたくない」
「同感です。NPCの件もありますし。それにあの程度の人数。難易度が高いとも思えません」
《スワロウテイル》の千早。いい声をしている。
「それじゃ、ボク達《ソード&ローゼズ》におまかせ……」
「具体的な案はお持ちですか?」
ゼロスは《カーペンター組合》のリチャードにすらイジられた。
「ああ。街のギルド、初の合同作戦だ。各ギルドから一名ないしは二名、というところが妥当かと思っている」
「まぁオレっちは別にいいけど…。でもギルドじゃないのもいるよ?」
「( そら来た…)」
皆がマコトに注目している。
「ああ、俺達のことか。ソルティキャットさんとは個人的に付き合いがあってね…。義侠心からの参加だよ」
「戦力として期待出来ないのに、報酬が山分けなのは気に食わんな」
報酬のゴールドは参加ギルド間での山分けだった。
《倶利伽羅》桜はストレートだ。
「そこを釈明するのは難しいね…」
マコトは笑うしかない。
「みんなを説得出来る材料はあるか?」
進行役のイザナギは中立。
「んん…どうしようか……」
タケを見ると首を縦にした。
「…あ!そういやこんなのあったな…」
[頼豪鼠の頬袋]からおもむろに剣を取り出し、机に投げた。
「なんだ、コレ…」
《倶利伽羅》桜がそれを手に取る。
彼女は生粋の剣マニアだった。
「…え……は?ハァァァァァッ???!」
[宝剣-建御雷神- ]
《☆10神々の遺産級》
効果:剣を振るえば、視認する全てに雷撃が放たれる。
使用回数:無制限
気性の荒い神の化身。視界にいれば味方にすら雷撃が見舞われる。
「ゴ、ゴゴ…ゴッズトイィィィィ…ぁぁ…」
桜は、穴が開くほどに剣を見つめている。
恍惚の表情だ。
「あまり詳しくは言えないが、それを手に入れられるだけの…」
「お、おい…本物かっ?!見せてみろっ!」
「あっ……」
卍丸は桜から剣を引ったくった。
「わ、私にも見せてください!」
「次は僕もお願いします」
誰も話を聞いていない。
「うわぁぁぁぁ……。ゴッズトイ…。初めて見たわ…」
その一言を皮切りに、品評会が始まった。
ソルティキャットには恩がある。この"クエスト"には何を差し置いてでも参加したかった。手持ちの"ジョーカー"を見せたのもそれが理由だ。
「マコト君達の参加に異論は?」
誰からも手は挙がらなかった。
「じゃあ、異議無しということで…」
周りを見ると頷いているメンバーもいる。
どうやら納得してもらえたようだ。
が、約一名。異様な視線を送ってきている奴がいた。
「……ん…何かな?桜ちゃん」
「え?ハッ……。い、いや…何でもない…」
「…あっそ」




