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彼女の瞳はガラス玉
「あなたが×××?」
彼女は僕をただ見てそう言った。その瞳はまるでガラス玉のようだと僕は思った。
僕らの出会いのきっかけはありきたりで、まったく奇跡の欠片も含んだものではなかった。単純に僕らは同い年で、同じ年に同じ学校に入学し、たまたま校内で出会ったのだ。
このたまたまというのが中々作為的なものだったのは確かだが、僕らは僕らの出会いに何の運命も感じなかった。
一つだけ、廻り合いと云うものがあるならばそれは彼女が本当は遠い場所の生まれで、そのままその場所ですくすくと育っていたならば僕らは対面を果たさなかっただろうというくらい。これにしたって出会いから大分経って知った事だから、当初の僕は知るよしもなく、やっぱり運命的だなんて思わなかった。
ありきたりで、月並みで、平凡で、ともすれば明日にでも忘れてしまいそうな、そんな唯一無二とは決して言えない僕らの出会い。
それから彼女は僕を変えていく。意識的に、無意識的に。
僕にとっては彼女との出会いは幸いなことだったが、ただ残念なことは、僕が彼女の特別にはなれなかったことだろう。
運命的に出会えていたらと思い返す日々が来るのはまた別の話。




