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再出発
住所不定無職の生活に終わりを告げるときがやってきた。
あたしは、部屋を借りる初期費用を貯め込んでいたのだ。
毎月金貨1枚で、ひとり暮らしには贅沢なレベルの部屋を借りることができた。
改めて役所に生活保護の申請をしに行くためだけに。
もう働けるじゃないかと言われればそれまでなのだが、やはり医療費が出費の大半を占めてしまっていて、生活が成り立たないのだ。成り立たない生活の中から必死でやりくりして、部屋を借りることがようやくできたのだ。
これを見捨てるような村なら、見限って出て行こう、あたしはそれなりの冒険者なのだから。