目を覚ましてみる
お楽しみください。ありがとうございます
父は、こことは異なる世界についての話をよく私にした。そこでは、人間が同じような繁栄をとげている世界。また、人間とは異なる生物達が平和に過ごす世界。幼かった頃の私は、父とそのような異世界についての議論をすることが大好きだったのだ。深く黒い目を輝かせて、父も楽しげであったことをよく覚えている。
私は、ビルの下にいた。古くかなり廃れたビルだ。その古びた玄関口の前で寝ていたのだ。いったいいつから? ここはどこなのだろうか? 私は確かに今朝、通っている高校へと自転車で向かったはずだ。遅刻を免れるために、必死でペダルを漕いだ記憶が鮮明なのだ。しかし、気づいたらこんなところで寝ているではないか。
周りをさらによく見渡して見ると、そこは私の見慣れた街ではない。見たことない街に、使い古された雑巾のように、くたびれた建物が密集している。そして何よりも気味が悪いことがある。人の気配がしないのだ。
私は、歩いた。街の中を探索することに決めたのだ。歩き回ると骨を見つけた。声が出そうになる。私は自分が、中々驚かない女だと自分で思っていた
しかし、人間の頭蓋骨を見た程度のことで動揺しているので、私もまだまだと思った。
ふと、気配がふくれた。私の背面、何かがいる。まずい、かなりまずい。何がまずいかといえば、後ろのソレは、足音を殺して近づいてきている。呼吸をゆっくりと静かにして、私に存在を決して悟られないように。近づいているのだ。誰もいない見知らぬ街の中で、おそらく脅威にさらされた。




