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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く 最終章《一夫多妻エンドVer.》  作者: 東音


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さくら兄 財前寺龍馬の出した結論

「今日はすまなかったね……。あと、これ、スミレちゃんに天然木作りの知育玩具(特注品)とあんずちゃんに猫缶持って行ってくれるかい?」

「え?あ、ありがとうございます。お気遣い頂きすみません……」


 こんな深刻な話をした後に、帰り際に玄関口で義父に大きなお土産の紙袋を渡され、戸惑いながら受け取っていると……。


 バンッ!


「石藤くんは家にいるかっ…!?」

「「龍馬さん?!」」


 玄関のドアが勢いよく開かれ、さくらの兄である財前寺龍馬さんが家の中に飛び込んで来て、俺と義父は目を丸くした。


「秋桜さんから、さくらが悩んでいるらしいときいたぞっ。石藤くん、さくらとうまく行っていないのか!?妹を幸せにしてくれると見込んで託したというのに、一体何をやっているんだ。君は……!」


「……!! ||||」


 俺の姿を見るなり、詰め寄ってくる龍馬さんの言葉に俺が胸を突かれて立ち竦んでいると、近くにいたメイドさんと義父が彼を慌てて宥めた。


「龍馬お坊ちゃま、お待ち下さい! 落ち着いて下さいませ。」

「そうだ。龍馬、落ち着きなさい……!その話は私と今、終わったところだ。」


「妹の家庭に暗雲が立ち込めているというのに、落ち着いていられるか! 父さんと話したからといって、俺は納得していないからな……!」


 厳しい表情の龍馬さんに、俺は頷いた。


「その通りです。俺が、不甲斐ないせいで、さくらさんに辛い思いをさせてさしまい、申し訳ありません……」


「自分に責があると認めるんだな……。ちょっと、話をさせてもらうぞ」


        *

        *


 龍馬さんの剣幕に、何をするか分からないと思ったらしい義父とメイドさんは、遠くから皆の目の届くところでと勧められ、応接間の一角のソファ席に俺と龍馬さんは向かい合い、話をする事になった。


「はぁーっ……。なるほどな……。さくらがそんな頼みを……」


「そこまで、さくらを追い詰めたのは俺です。申し開きのしようもありません……」


 洗いざらい事情を話すと、龍馬さんは額に手を当て、長いため息をつき、俺は重苦しい気持ちで首を項垂れた。


「それで、君はどうするつもりなんだ?断るつもりなら本当に気持ちを割り切り、さくらとの関係を改善しなければならないし、受けるつもりならさくらとスミレ、その元カノを世間からどう守っていくのか、対策を立てなければならないだろう」


「龍馬さん?!」


 龍馬さんに当然断るように念を押されると思っていた俺は、思いがけず二択を提示され、目を見開いた。


「何だその顔は?断るように勧められたかったって顔だな……」


 龍馬さんは、そんな俺を見て、呆れたように鼻を鳴らした。


「ふん、選択するのは、君だろう?どちらにしろとか、楽にするような事は言ってやらないよ。真摯に悩んで自分で決めろ」


「だけど、もし、後者を選んだとして、さくらが傷付き、後悔するような事になってしまったら……」


「石藤くん。妹をあんまり見くびらないでくれ。

 さくらはバカじゃないし、人生の大きな選択する時、多少の苦労や犠牲は覚悟が出来ている。


 口に出して願いを伝えて来たなら、さくらなりに、皆で幸せになる道筋が立っているんだろうよ。


 君との結婚を決めた時もそうだっただろう?」


「それはっ……。でも、そんな事になったら、一般の価値観から外れて、世間から厳しい目で見られて辛い思いをする事になるかもしれません。俺だけでなく、家族全員が……」


「それを言われると、僕も辛いな……。今、ちょうど秋桜さんと「一般の価値観から外れる」ような将来を考えていたところだったから」


「宝条さんと?」


 そんな事を言う龍馬さんに驚いて聞き返すと、彼は頷いた。


「ああ。いよいよ秋桜さんと将来の話をするようになったのはいいんだが、俺は財前寺家、秋桜さんは宝条家を背後に背負っている。


 どうしても、ビジネス的な話は避けられなくてな……」


「そ、そうなんですね……」


「秋桜さんの両親は国際結婚だったんだが、実家同士のいざこざに疲れてしまって離婚したが、今の方が仲はいいらしい。


 結婚して仲が拗れるくらいなら、法的な婚姻は結ばなくてもいいのではないかと秋桜さんに言われて、俺も大分悩んだんだが……」


「……!龍馬さん、了承したんですか?」


 俺は驚いて龍馬さんに問いかけた。


 龍馬さんは、義父の後を継いで、RJ㈱の将来社長となるべき人物で、妻になる宝条さんといわば内縁の関係でいる事が許されるのだろうかと疑問に思ったのだが……。


「ああ。最終的には彼女と一緒に過ごせるなら、形はなんでも良いという結論を出したよ。


 まぁ、父はああいう人だからな。俺達の好きにするといいと言ってくれた。秋桜さんの両親の方はまだ説得中だが……。」


 悩んだ末に、周りに反対されるかもしれなくても、自分達の進むべき道を決めた龍馬さんはとても清々しい表情をしていて、俺にはそれがとても眩しく思えた。


「まぁ、話は逸れたが、俺も秋桜さんとはお互いの気持ちを何度も話し合って、今の結論を出したんだ。


 さくらは自分の気持ちを伝えた。

 君も逃げてないで、自分の気持ちをきちんと正直に言って、その上で答えを見つけろ。


 さくらに辛い想いをさせるような事があれば、君を一発殴らせてはもらうかもしれないが、干渉はしない」


「龍馬さん……」


 俺は龍馬さんの言葉を噛み締めながら、頷き、膝の上で拳を握り締めた。


「分かり……ました……。ちゃんと……、考えてみます……」


「そうしてくれ。俺から言える事は以上だ」


 龍馬さんは、自分の気持ちに向き合う決心を固めた俺に満足そうに微笑み……。


「ああ、それとこれなんだが……」

「??」


 大きな紙袋を差し出して来た。


「駅前の百貨店で買ってきたんだが、スミレちゃんにアンパンマムのピアノのおもちゃと、あんずちゃんに猫缶を渡してくれないか」


「ええ?あ、ありがとうございます。お気遣い頂きすみません……」


 なんと、龍馬さんからも、お土産を渡されてしまった。


 っていうか、龍馬さん、あんなに俺に対して怒っていたというのに、来る前にスミレとあんずにはお土産を買ってくれてたんだ……。


 皆が大切に思ってくれている小さな家族の為にも、さくらとちゃんと話し合わなければと思った時……。


 バターンッ!!


「お父様、お兄様!! 良二さんを呼び出したって本当ですかっ?!

 良二さんをいじめるなら私が相手になりますよっ!!」

「めーっ!!」


「「「「?!!」」」」


 けたたましく玄関のドアが開く音がしたかと思うと、スミレを抱えたさくらが

室内に飛び込んで来て、俺と龍馬さん、遠くで俺達を見守っていた義父とメイドさんは呆気に取られたのだった……。


*あとがき*


 いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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