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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く 最終章《一夫多妻エンドVer.》  作者: 東音


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彼女の慟哭《前編》

 俺とさくらは重い気持ちで病室を出ると、香織父が病院の外まで送ってくれることになった。


「良二くん。今日は来てくれて、香織の話を聞いてくれて本当にありがとう。

 これで香織も気持ちが楽になっただろうよ」


「い、いえ。俺は何も……。寧ろ、瀬川さんには、先日キツイ言葉をかけてしまい、申し訳ありませんでした」


 相好を崩した香織の父に礼を言われ、却っていたたまれなくなり、頭を下げると、彼は手を振って否定した。


「いやいや。あんな別れ方をした相手に

優しくできないのは当然だ。


 香織と付き合っている時には、私も君に厳しく当たっていたが、内心では見込みがある男と思っていたんだよ。


 だから、香織が君と別れて、あの男と付き合い出した時には娘の見る目のなさに随分がっかりしたものだった……。案の定、あんなひどい事になって……」


 そこまで言って、香織父は俺と、隣にいるさくらをチラリと見て、困ったように笑った。


「いや、昔の事を言ってすまかったね。年を取ると愚痴っぽくなっていかん。

 今は、君が素敵な伴侶を得て幸せになってくれてよかったよ。


 さくらさんも、今日は香織の為にありがとう。君も昔、香織と関わりがあったのだって?」


「は、はい。香織さんには、良二さんと一緒に、私が小さい頃不審者から助けて頂いた事がありました。私にとっては香織さんは恩人です」


「そうだったのか……」


 聞かれて、さくらが昔の事を話すと、香織父は感慨深そうに頷いた。


「はい。ですから、困った事があったら何でもおっしゃって下さい」


 必死に主張するさくらに、香織父は穏やかな笑みを浮かべた。


「ありがとう。でも、財前寺さんや、権田さんにも随分よくして頂いたし、もう充分過ぎる程に恩は返してもらっているよ。


 香織にとっても君のような人を助けられた事は救いでもあっただろう。


 だから、これ以上私達の事は気にせずに君達は幸せになってくれ。

 それを香織も望んでいる。


 香織は私達家族が責任持って支えるから、大丈夫だ。」


「「は、はい……」」


 きっぱりと言われ、俺もさくらも、もうそれ以上何も言う事が出来なかった。

 病院の正面玄関で香織父と別れ、車で待っていてくれた権田さんの下へと向かった。


「お疲れ様でございました。香織様は……、どのようなご様子でございましたか?」


「え、ええ。私達には明るく振る舞っていましたが……」


 さくらは、そう言ったきり、言葉が続けられず、権田さんは察したように重々しく頷いた。


「そうでしたか。まぁ、あのような事があったのです。心も体もゆっくり回復するのを待つしかございませんね」


「権田さんも、瀬川さんの事で、色々と骨を折ってくれてるんですよね。ありがとうございます」


「何でもない事でございます。あんな非道なセクハラ上司は、許しておけませんので。旦那様も会社に圧力をかけ、事実確認と処分を迫るとおっしゃっておいででした」


「権田さん、そちらの方はよろしくお願いします」

「権田さん、ぜひその上司の人に厳しい対応をお願いします」


「もちろんでございます。その件については、この権田、責任を持って当たらせて頂きたいと思いますが……」


 俺とさくらが頭を下げたところ、権田さんは頼もしく返事をしてくれ、言葉を切った。


「以前から、香織様に新しい就職先をご紹介する予定だったのですが……。


 その……、今の香織様の状況から言って、男性の私より、女性からお伝えした方がよいのではと旦那様がおっしゃられまして……。


 女性の担当が付くまで、さくらお嬢様にその件をお願いしてもよろしいでしょうか。」


「……! もちろんです!!」


 権田さんの言葉に、さくらはぱぁっと顔を輝かせた。


「就職先の資料とかあるのですか?すぐ渡して差し上げなければ……!」


「えっ。はい。ございますが……。今の状態の香織様にはご紹介するには、まだ早いかと……。もう少し時期を見たほうがよいかと思われます……」


「分かっています。直接ではなく、まずは香織さんのお父様にお渡しして来ます。今は少しでも希望のある話をお持ちしたいのです」


「了解し致しました。こちらが、現在、RJからご紹介できる企業と職種のリストになります。女性スタッフのみの職場には赤丸をしてあるそうです」


「分かりました。ありがとうございます! 行ってきます」

「さくら。俺も行くよ」


 権田さんに渡された資料を確認して、勢い込んで、病院の中へ戻ろうとするさくらに声をかけたが……。


「大丈夫です! 資料を渡しに行くだけですから、最近碌に眠れていなかったですし、良二さんは車で休んでいて下さい。ではっ」


「さくらっ……」


 俺の体調を心配したさくらにきっぱりと断られて後ろ姿を見送る事になった。


「石藤様、ここはさくらお嬢様のお気持ちを汲んでお任せしましょう。どうぞ、中でお休み下さい」


 権田さんは、そんな俺に穏やかな笑みを浮かべ、車のドアを開けてくれたのだった。

✽あとがき✽

シリアス展開で、なかなかあとがきも入れにくいですが、いつも読んで下さりありがとうございます!


本作品、現実世界〔恋愛〕ジャンル - 連載中

30 位 になれました!(7/1013時時点)


また、昨日、前作「一夫多妻制」の方で50万pv達成しました!

応援下さった読者様に本当に感謝です✧(;_;)✧

読者様にお礼入りのAIイラストをみてみんに投稿していますので、よければご覧下さいね。


https://42432.mitemin.net/i988894/


前作、続編共に、今後ともどうかよろしくお願いしますm(_ _)m

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