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おれたち付き合ってますがなにか?  作者: ゴルゴンゾーラ
元カノとヨリを戻したいのに男にモテ始めたから困ってる
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第10話_おそろしいこと

ヤツは俺の体を執拗に触った。


「泣き叫んでいいぞ。俺はそのほうが興奮する」

俺のベルトに手を伸ばした。

外そうとしている。


俺は相手を睨みつけた。

しかし男はよけいに興奮した顔で

こちらを見返してくるだけだった。


これから最終的に何をされるのか

分かっていた。

 

なぜか山野井の顔ばかり浮かんだ。

山野井の笑顔。

山野井が俺にキスしたこと。


「可愛い顔して、体は鍛えてるんだな」

俺の胸板を触りながら、男が言う。


そしてまた顔を打たれる。

痛みで、意識が戻った。



覚悟を決める。

無表情でいたほうが、相手を興奮させずに済むだろう。


俺は今から、なにも感じないんだ。


相手を喜ばせるような反応なんかするものか。

相手は嫌がれば喜ぶようなサディストだ。

反応せず我慢していれば、早めに終わるはずだった。


目をぎゅっとつぶった。


そのとき男のスマホが鳴ったのだった。


------------------


人生最大のピンチ。

その3日前。


俺は梨央と会っていた。


その夜。

梨央は、俺といつもデートしていた頃の

地味な格好をしてやってきた。


俺の好みに合わせてくれているんだろうか。


髪の毛だけは明るい色のままだったのだが。


「蓮さんごめんなさい。どうしても説明したくて」


香苗さんと山野井と梨央と、そして郁也くん。

5人で飲んだ夜。


その後。

俺は梨央からの連絡を無視し続けた。

だが、梨央は会社までやってきたのだ。


残業で21時過ぎまで仕事をしていたのに

梨央は、ビルの外でずっと待っていたらしい。


「何時から待っていたんだよ?」

「18時くらいから。どうしても会いたくて」

「連絡くれればいいのに」


会社の近くの喫茶店に入った。


「それで、話したいことって」


受注した仕事の条件がきつく、ややこしい案件で、

俺はその日、精神的に疲弊していた。

残業も続いていたので、睡眠不足。

判断力も鈍っている状態だった。


「郁也が、お金目当てだって言ったこと。

あれは違うって、分かってもらいたくて」


「うーん、年上だし、社会人だし。

デート代を払ったりするのに抵抗はないし。

俺も、ちょっとショックだったけど、

別にそこまで、恨んでるとかはないから」


「でも、いろいろ買ってもらったりもしたし……」

梨央はまだなにか言いたげだった。


「梨央。俺も楽しかったんだし。

気にすること無いって。

ただ説教臭くなるけど、今後は

本当に好きな相手と付き合ったほうが良いかもね」


梨央に明るく笑いかける。

梨央は俺に対し罪悪感を持っているのだろう。

自分の気持ちをスッキリさせたくて

謝りに来た。

そんなところだろうと思っていた。


本当は、だいぶショックだったけど、

もう別にいいかな。


穏やかな気持で珈琲を飲む。

家に帰ってもう少し作業がしたかったし、

カフェインのおかげで少し元気が出た。


そんなことを思いながら、正面に座る

梨央の顔をふと見ると。


梨央は大粒のポロポロと流した。


「えっ。梨央、どうした?」


「蓮さん、あたし」


「俺は怒ってないって言ってるよね?」


「違うんです。そうじゃなくて」


なぜ、泣いてるんだろう。

近くに座る他の客が、ちらちらとこちらに視線をよこす。

女の子を泣かせている、ひどい男に見えるのだろう。


「梨央、どうしてそんなに泣くんだよ」

オロオロした。

ハンカチ、どこだ。

ティッシュのほうが良いのか。


「蓮さん、助けてほしいんです」


梨央は、しゃくりあげながら、そう言った。


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