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第5話 おとなのじじょう

多分説明回。



あーあー、こちらマリアンヌ。

爆弾を発見した。あと1分で爆発する。

私は解除に専念する。もう時間がない…あとは頼んだぞ…!








という冗談は置いておきまして。

まあメッセージの内容は爆弾みたいなもんだったんだけどね!

政治の裏側、大人の事情ってやつがつらつらと書かれていましたよえぇはい。

スッキリはしたけど発見しなきゃよかったよばっきゃろー!


でも見ちゃったからには行動しなきゃ、お父様とお母様が死んでしまう。多分。それは避けたいなーなんて。

出会って(?)2ヶ月ちょっとだけど、大好きなんです。これが親子愛ってやつだね!親子丼じゃないよ?




くるくると踊っていた文字たちは既にその動きを止め、元の位置に戻っている。

最早魔力は感じなくなっていた。1回限りだったんだろう。


いいねえお前たちは。止まっていていられて。

でも私は止まるわけにはいかない。いや今絶賛止まっている最中だけど。

今の状況を改善して、お父様とお母様を救い出すまでは動き続けなきゃいけないのです!

まあぶっちゃけ何をどうすればいいのかなんてサッパリなんですけどね!



取り敢えず見逃していることがないか、その下の書類にも全部目を通しておく。

報告書やら記録書やらが置かれてあったが、下のものは全部適当なダミーだということを確認。

それを終えたら書類とお手紙の束を空間収納する。

これは自分の魔力を箱状に浮かせて、その中に色々な物を入れる魔法だ。偶然見つけたんだけど、魔力を濃縮すればするほど沢山入って超便利なのだ!

ペンダントは首にかけたままにしておく。何でってあーた、そりゃ気分ですよ気分!


ついでに執務室(仮)の棚やら床やらをざっと見て、他に仕掛けがないかどうか確かめる。

もしあのメッセージがブラフだったら骨折り損だからね!













で、ブラフだったことを期待していたのですが。

その後どこにも仕掛けはなく、仕方がないので真実だと仮定することにして部屋から出た。



はい、私マリアンヌ、お部屋から出ちゃいました!てへぺろ?




お父様もお母様も私が赤子だから出られないと思ったんだろうけど、残念ながら私は魔法を扱える身なのです!

独学だけどね。



魔力を通してちょちょいのちょいで出れちゃいました。てへぺろ!




扉の影から廊下を見て、人影がないことを確認。

右見て左見て、渡って良し!

気分はスパイ映画の主人公である。私いま輝いてる!



廊下のところどころにある調度品の影に隠れながら進む。

人っ子一人いないからそんなことする必要はないんだけど、警戒って大事じゃん?あと気分も大事だよね。ついでに雰囲気も。


そのまま物音一つしない廊下を歩いていき、階段までたどり着いた。

耳を澄ましても、何も聞こえない。まるで一人ぼっちになってしまったかのようである。

いや実際今は一人なんだけども。ぼっち言うな!




階段を下りてまた廊下を歩く。やはり人っ子一人いない。

当たり前だ。昨日までに、少しずつ屋敷の人員は減っていっていたのだから。

気づかれないよう少しずつ、けれど着実に。私も全然気付かなかったよ!当たり前だけどね!


今屋敷にいるのは、両親とルイさん、『お客様』方に、王女さま含む奴隷さんたちだけだろう。

メイドさんや乳母さんたちは屋敷を出たんじゃないかな?だといいんだけど。

あ、あとは庭や屋敷の周囲に騎士さんたちがいるはず。



ひとまず、『お客様』がいる会場を探さなくちゃ。

大体見当は付いてるんだけど…。




と思ったら、早速見つけちゃいました。さすが私!



分かりやすく魔力の漏れ出ている壁を注視して、隙間をさがす。高いところは見えないから下の方だけなんだけどね!

隙間はすぐに見つかったのでそこから魔力を入れる。

魔力をどんどん伸ばしていって、即席監視カメラの出来上がり!胃カメラでも可。



で、奥の方は広間のようになっていて、仮面舞踏会の様相を呈していた。

『お客様』方は皆タキシードやドレスに身を包み、それ本当に隠すつもりあんの?と言いたくなるような仮面を身につけている。

本来ならいるはずだろう給仕の姿が見当たらないのに誰も気にした素振りを見せないのは、舞踏会が目的だからではないだろう。

ざっと見た限りお父様とお母様のお姿は見えない。

ついでに出入り口が今私がいるここにしかないことも確認。魔力越しだから魔力がよく見えるけど、人の魔力が見えるだけで床や壁には何も仕掛けはなさそうだし。



広間の奥にはステージらしきものがあるが、今は上に何もない。

しかし誰も彼もが談笑しながらもチラチラとそちらを気にしているのが分かった。















今から行われるのは両親主催の闇オークション。

盗品から不正入手品から宮廷のポスト権から奴隷まで、あらゆる『悪いモノ』が売られる。

目玉の商品は奴隷となった王女様。


会場となる広間にいるのは、それを売る人に買う人。

父の派閥に属するもの――いわゆる腐った貴族商人たちは、全員が参加しているはずだ。

で、その現場に騎士さんたちが踏み込んで一斉摘発。

蔓延しかけた腐敗の芽は摘み取られましたとさ、めでたしめでたし、という筋書きである。


ちなみに執筆者は両親。原案は先代の王様。アシスタントは先代公爵2名。らしい。






まあ要するに、平和な時代が長すぎて腐りかけたお馬鹿さんたちを一網打尽にするために両親が生贄になりますよ、と。そういうお話である。






んなもん糞くらえですけどね!

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