表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】思ったよりも異世界が楽しすぎたので、このまま王都の片隅でポーションスタンドでも始めてのんびり暮らします。  作者: 雉子鳥幸太郎
第二部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
45/50

新居お披露目 上

食中毒事件から一ヶ月が過ぎようとしていた。

アンリさんの活躍のおかげで事態は無事収束し、平和な日常が戻ってきた。


私はマカロンさんやリリーさんとも親しくなり、特にリリーさんとは年が近いこともあって、よくお茶に誘ってもらっている。王都の流行に詳しく、素敵なお店をたくさん知っているので、一緒にいるととても楽しい。


生活にもリズムができてきた。

朝はマリーさんに卸す回復ジュース(失敗ポーション)を作り、クラモに配達を任せる。その後、カレンさんのお手伝いをして、午後からは新居の方へ向かい、庭の畑の手入れを始めるのだ。


「よしっ、陽泉花はこれでOK。次は月見草を植えていこうかな……」


「ナギー! そろそろ休憩しない?」


作業に没頭していると、ヴェルンさんの声が聞こえた。

私はスコップを置き、皆のいる方へ向かう。


職人頭のドノバンさんと見知った職人さんたちが、芝生の上で輪になって料理を囲んでいた。


「おぅ、遠慮すんな。好きなの食えよ」

「え、いいんですか!」


「私の妻が作ったものなので、お口に合うと良いのですが……」とヴェルンさんが差し出してくれる。


「え? ヴェルンさん、ご結婚を?」

「ははは! ナギも言うねぇ!」


「あ、そういう意味じゃなくて! ヴェルンさん、すごくお若く見えるので……」

「そういうことにしておきましょう。さあ、座ってください」と、クスッと笑うヴェルンさんに促される。


私は芝生に腰を下ろし、お肉を挟んだパンを手に取った。

軽く焼かれたパンから香ばしい香りが漂う。中にはみずみずしいレタスが敷かれ、マスタードのようなソースが塗られている。


「いただきます……ふぬっ⁉」

「だ、大丈夫ですか!?」


「お、美味しい……!」


「「わははは!」」


「もう、驚かせないでくださいよ」とヴェルンさん。

「すみません、あまりに美味しくて思わず……」


このソースが決め手だ……。

ヴェルンさんの奥様は本当に料理上手なんだな。

機会があれば、ぜひレシピを教わりたい。


親方が満足げに腹を叩きながら、新居を見上げる。


「何とか形になったな。これなら誰に見せても恥ずかしくねぇ」


「自家工房の方も、かなりこだわりましたからね」とヴェルンさんが早口で続ける。「可動式の棚に簡易地下収納、北窓採光に……なんと言っても極めつけは、アイアンウッドの一枚板で作った作業台です。大手工房でもなかなかお目にかかれない希少材なんですよ」


皆がうんうんと頷く様子を見ていると、本当にこの仕事が好きなんだなと感じる。こんな職人さんたちに家を作ってもらえるなんて、私は本当に恵まれているのかもしれない。


「引き渡しは来週だな。ナギ、お披露目やるんだろ?」

「へ?」


私がパンを頬張ったまま聞き返すと、ヴェルンさんが「新居を建てたら、友人やご近所の方を呼んでお祝いをするんですよ」と教えてくれた。


「なるほど……! もちろんやります! 皆さんも来てくださいね!」

「え、おいおい、俺たちは職人だぜ? 邪魔になるだろ」


「そんなことないです。皆さんにも来ていただけたら嬉しいです!」

「そ、そうか?」

「はい、もちろんっ!」


親方は他の職人さんたちと顔を見合わせると、「よし、わかった! 遠慮なく行かせてもらうぜ」と笑顔を見せた。


「はい、お待ちしてます!」


輝くような新居、風に揺れる畑の薬草たち。

そして、待ちに待った念願のお風呂……!


あぁ! 来週のお披露目が、今から楽しみで仕方がない!

きっと、素敵な一日になるはずだ。

お久しぶりです。

三話分だけですが、書けたので放出していきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ