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第十三章 マイフェアレディ

「そういえば・・・・さ。」


 ふと、気になることを思い出した。


「なんで、ジャスミン風を使ってたの?」


 ジャスミンの能力は属性「草」の『未來のセカイ』のはずだ。なのに、なぜ風が使えたのだろう。


「そんなことどうでもいいではないか。」

「いや、お互いのことをなんでも知らなくてはといったのはジャスミンじゃん。」


 それに、能力のことを秘密にしあうのは厄介だ。いざというときに対処ができない。


「教えてよ。それに同室同士で能力のことをを秘密にしあうのは違反になるよ。」

「問題ない。あの方には伝えてある。」


 ・・・・ヒメユリちゃんか。


「だから、いざというときにはあの方に止めてもらえばいいだろう。」


 どこかでなにかがプツリと切れる音がした。


「・・・・私って・・・そんなに頼りない?そんなに信用できない?」


 これまで一緒に過ごしてきた時間はなんだったのか。


「・・・・・だったら、ヒメユリちゃんと同じ部屋にしてもらえばいいじゃん!それともなに!?能力が暴走したときにヒメユリちゃんが死んじゃったら困るから!?私は少しの間の足止め!!?私なんか死んでもいいってこと!!?」


 もし、もし、ジャスミンの能力が暴走して・・・・『未來のセカイ』以外の能力を持っていたとしたら・・・私はなんの抵抗もできずに殺されるだろう。


「違う。そんなことはない。それにあれは能力ではないのだ。」

「嘘つかないでよ!!」


 あれは、どう見たって能力だ。私がそんな嘘に騙されるほどの馬鹿だとでも思っているのか・・・それとも・・・・


「私は・・・ジャスミンのこと・・・・ずっと・・・ずっと親友だと思ってたし・・・


 嘘がバレて・・・・


「ヒメユリちゃんのことを愛おしそうに見てたとしても・・・・・


 絶交されても・・・・


「ずっとずっと!!ジャスミンのことが・・・・


 いいとでも思ってるのか。


「好きだった!!恋してた!!」


 舞台メイクのようにたっぷりと塗られたアイシャドウに縁どられたアーモンド形の大きな瞳がゆるゆると大きくなっていく様を私はどこか他人事のように見つめていた。


「・・・・でも、もう・・・・無理だ。」


 私は、失恋し続けるのに・・・・疲れた。


「バイバイ。」


 そういって私はジャスミンを一度も見ることもなく駆け出した。




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