成人向けの誇り
寄宿舎内をうろついていたら、ルークの色っぽい妹に出くわす。キアラだ。
「ハーイ、ラウリィ」
と手をあげるラフな挨拶をしてきて、近づいてきたかと思えば、ハグをしてくる。グラマラスな身体のラインが意識されたので、オレは少しドキッとした。
「よ、キアラ。相変わらずセクシーで可愛いな。ルークが羨ましい」
「ルークが凄く落ち込んでたけど、何かあったの?」とキアラ。
「落ち込んでた?オレはさっきまでブラックアウトしていたんだ」
「なんで?」
「ああ、ルークがキスしてきて。アレがソレで、そうなって」
「あー。盛りのついた雄……みたいに、い……をき……て?」
オレは耳を塞いだ。そしてキアラと目を合わせたまま、首を横に振る。
「オレの存在とその単語を並べたてたらいけないんだよ」
「そっか。だから、女の子たちがみんなこぞって、ラウリィのアダルトルート開通を目指しているのね」
とキアラは訳知り顔で言う。
そう言えば、ミトリがそんなような書類を抱えていた気もした。
「オレのアダルトルートを開通してどうするんだ?」
「まず、ラウリィ自身は耳を塞がなくなる。そしてラウリィの名前と、さっきみたいな単語を自由に並べられるでしょ」
「そうかもしれないけど。そんなに重要なことか?」
「それに、ラウリィとしっかりと結ばれたい子は多いよ。さらりと一瞬じゃ、ね」
と言って視線を送ってくる。
キアラがこうして思わせぶりな言い方をするのは、それすなわち、オレが彼女ともそうなったことがあるからだ。
「オレは全年齢の誇りがある。キアラはブリファルの誇りがあるかもしれないけど」
「そうね、わたしにはお兄ちゃんの親友から強引寝取られルートっていうの。あるよ」
とオレの手を取り、そのぷるぷるした自分の唇にオレの人差し指を触れさせてみせる。焦げ茶色の瞳が、悪戯に光った。
「その親友の名は聞かないでおくよ。パラメータ次第で親友は変わるそうだ」
とオレは言う。そうしたら、はぁ、とキアラはため息をついた。
「ラウリィがブリファルの主人公ならいいのに」
と言う。
オレは、皆に告げたように、全年齢の誇りを口にした。けれど――――。




