主人公補正はなはだしい
「引かないか?」
「もちろん」
「したくないんだよ。女の子たちと。ユーリィも、フランも、リアもかわいいけど」
「色気のある血のつながらない妹もいるだろ、キアラ」
羨ましいことに、ルークには色気むんむんの妹がいるのだ。そしてなぜか寮の一室で一緒に住んでいるらしい。普通は男女で寮は分かれているはずなのに、主人公は補正が甚だしい。
「うん、いるけどさ。でも、そういうの、要らないんだ」
「要らない?」
「そう」
「攻略しなくていいんだよ。いやなら。選択の自由が主人公の権利だから」
と言ったら、ルークは首を横に振るのだ。
「でも、攻略したい奴はいる」
「へーじゃあその子のとこへGO!攻略情報流してやるよ」
視線が真っすぐにこちらに向いてきて、不意に手が近づいてくる。オレの唇の上に親指が添えられた。タレがついてる、と言うのだ。
「サンキュ」
「今、その子のとこいる」
「その子?」
「ああ、俺はラウリィを攻略したいんだ」
そう言ってルークは親指についたソースを自分の舌で舐めとる。
「それ、結構オレの世界ではギリギリの行為だ」
「俺の世界では序の口だよ」
「そりゃそうだろうけど」
「ラウリィの、攻略情報流してくれないのか?」
と思わせぶりな視線を送って来るのだ。
「ルートがないだろう。お前のブリファルの中には、竜騎士ラウリィのルートなんて」
「あるよ」
「ほらな、え?ある?」
「ある、親友凌辱ルート」
「……」




