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乙女ゲーヒロインにおとされるのを待ってたら、エロゲーの主人公におとされました  作者: KUMANOMORI


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10/19

親友のヒロイン

 ルークがオレに手伝いをしてくれるらしいので、オレはルークの協力をするつもりで、図書館に行く。ユーリィがそこにいると分かっているからだ。

 図書館の読書スペースの一番奥にユーリィはいる。空き時間があればいつもそこにいて、勉強をしているのだ。


 ユーリィは何冊かの本を脇につんでいて、今は一冊の本に付箋を貼っていた。

「よ、ユーリィ。久しぶり」

 と声をかけると、ユーリィは緩慢な動きで、顔をあげる。グレーブルーの横髪がさらりと、肩の上を流れた。


「ラウリィって神出鬼没、けど今はありがたいかも」

 と言って、一冊の本を差し出してくる。


「ここの崩し文字読めないの、読める?」

 と言うのだ。

「あー、これは、植物名。虹色のカサブランカって書かれれる。待ってろ、崩し字辞典取って来るわ」オレは言語学のコーナーへ行って、ユーリィに崩し字辞典を手渡した。一番分かりやすい崩し字辞典を、前に見つけていたのだ。


「ありがと。さすが学科Sランク」

「それは前の話な。暇すぎて、勉強するしかなかったわけ」


「攻略してくれないからって?」

「そう」


「いいじゃん。攻略なんかしてもらわなくても」

 とユーリィは少し不貞腐れた顔で言う。


「いや。それがオレの役目だし。ユーリィだって」

 と言ったら、鼻っ柱に本を突き出された。


「ラウリィの差し金でしょ。最近ルークがやって来るのって」

 と刺のある言い方でユーリィは言う。瑠璃色の瞳は笑っていない。


「それがあいつの仕事だし。役割まっとうさせてやれよ」

「名前呼び間違えるって、随分だと思う。それに、わたしは」

 と言いかけて、ため息をつく。


「なに?」

「ラウリィって、自分が攻略難易度高いって自覚ないでしょ?」


「オレが?どこかだよ。軽くて落としやすいだろうよ」

 はぁ、とユーリィはさらに深くため息をつくのだった。


「一つ教えてあげる。女の子たちの間での、噂話」

「うん?何?」

 オレが聞くと、ユーリィは少し恥ずかしそうにして言う。


「みんな、ラウリィのアダルトルートの入り口を探してる」

「アダルトルート?」


「そう」

「アダルトっていうのは、全年齢とは対照的な言葉だよな?つまり、ルークの世界のような、直接的で耳を塞ぎたくなるような単語のオンパレードのルートか?」

 とオレが言えばユーリィは顔をそむけた。そして、そうだよ、と小さく言うのだ。


「そんなの、ないだろ。オレは全年齢だもん」

「でも、することは、してる」

 とまで言って、少しうるんだ瞳でこちらを見てくる。あ、そうだった。


 軽い男たるオレは、ミトリ以外にはほぼすべて、一通りのことをしてしまっている。罪なことに。

 さらりと軽く奪ってしまう。

 なにせ、克明な部分はオレの分野じゃないからだ。


「悪い、学内裁判所に訴えていいよ。ラウリィに強引にされましたって。なにせ暇だし、処刑ルートにも粛々と歩むつもりだ」

「しないよ。ラウリィのことが好きでそうなったんだもん」


「ありがとう。オレもユーリィのこと、好きだよ。すごく可愛かった」

 と言ったらぼっとを音がたつかのように、ユーリィの顔が赤くなるのだ。


 皆までは言えない。全年齢だから。けど、そういうときのユーリィはとってもかわいいのだ。


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