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宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~  作者: 出雲大吉
第4章

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第146話 パンはパンでも食べられないパンはなーんだ?


 翌朝、少し遅めに起きると、ベルを鳴らし、朝食を持ってきてもらった。

 そして、まだちょっと眠い中にふわふわのパンを食べる。


「ベッドもふかふかでしたねー」


 ちょっと髪の毛が跳ねているエルシィがパンを食べながら言う。


「そうだな。天蓋付きのベッドなんて初めてだったし、本当に貴族やお姫様にでもなったような気分だったわ。そのせいかわからんが、今日は熟睡だった」


 時刻はすでに10時を回っているし、かなり寝たことになる。


「疲れもあったんじゃないですかねー? ずっと列車でしたし、昨日はかなり魔力を使いましたから」


 それもあるかもな。

 外にも出たし、知らない間に疲れていたんだろう。


「エルシィ、身体はどうだ? 湖に行くし、疲れているならエリクサーもあるぞ」

「私もぐっすり眠れましたし、体調はばっちりですよー。お風呂のアロマも良かったと思います」


 風呂での良い匂いはアロマか。

 リラックス効果があるんだったな。


「じゃあ、食べたらシャワーでも浴びて、準備したら出るか」

「そうしましょー」


 俺達は朝食を食べ、ゆっくりとコーヒーを飲むと、順番にシャワーを浴びる。

 そして、すべての準備を終えると、部屋を出て、1階に下りた。


 エントランスには俺達の他にも客の姿があり、チェックアウトをしているようだったが、どう見ても裕福な年配の夫婦が多い。


「場違い感」

「スーツとドレスでも買いますー?」


 いやー、どうだろ?


「あなた方も高給取りの錬金術師じゃないですか。ある意味ではあなた方の方がすごいですよ」


 エルシィに抱えられているウェンディがエルシィの腕をポンポンと叩く。


「天使付きだしねー」

「確かにそっちの方がすごいな」


 俺達は苦笑いを浮かべ、宿屋を出た。


「湖は西でしたよね? 昨日の森の北」

「そうなるな。西門を抜けて、そのまま道を進んでいけばいいっぽい」


 エルシィと地図を見ながら確認する。


「じゃあ、パン屋さんでお昼を買って、ピクニックにしましょう」


 それが良いか。


「えーっと、ギルドの受付嬢が町の中央にあるパン屋がおすすめって言ってたな」

「役所のそばって言ってましたし、この辺ですかね?」


 地図には役所なんかの主要な施設の場所も書いてあるのだ。


「じゃあ、行ってみるか」

「はい。こっちですね」


 俺達は中央の方を目指して歩いていくと、やはり多くの人達とすれ違う。

 そして、町の中央付近にやってくると、さらに人が増えた。


「本当に人口が多い町なんだな」

「すごいですよね。王都並みです」


 俺達がいたのは町の外周付近なのでそこまでだったが、中央となると人でごった返していた。


「さっさとパンを買うか」

「役所がそこですから……えーっと……あ、あそこです!」


 エルシィが指差した先にはパン屋があったので店に向かった。

 すると、結構出入りが多いように見える。


「人気っぽいな」

「ギルドの方が勧めるくらいですからね」


 俺達はパン屋までやってくると、店の中に入る。

 すると、やはり客が多く、若い女性から年配の男性まで幅広い層の客がショーウィンドウに並んでいるパンを見ていた。


「美味そうだし、種類も多いな」

「わくわくしますよねー。ウェンディちゃん、どれがいい?」

「悩みますね……」


 ウェンディが首を傾げる。


「エンジェルシックスセンスはどうした?」

「エンジェルシックスセンスによると、どれも当たりです」


 そうなんだ……


 俺達は他のお客さんに混じって、ショーウィンドウのパンを眺めていく。

 やはりどれも美味しそうだし、良い匂いもしているため、悩んでしまう。


「うーん……俺、塩パンとチーズパンにする」


 昨日の塩パンは美味かったし、チーズパンがすごく美味しそうに見える。


「むむ、チーズパンですか。確かに美味しそうですよねー。私もそれとチョコレートデニッシュとサンドイッチで悩んでたんですよ」


 エルシィは真剣な顔で悩んでいる。


「半分こするか? サンドイッチを半分くれ」


 サンドイッチも美味そうだ。


「先輩、やさしー! 愛してまーす!」


 エルシィが上機嫌で腕を組んできた。

 なお、目の前のショーウィンドウの先にいる若い女性店員が一瞬、白けた顔をした。


「ウェンディはどうする?」

「クリームパンとコロッケパンにします。地味に以前、レスターさんが食べていたコロッケパンが気になっていたのです」


 ホント、食い意地が張ってるわ。


「じゃあ、それにするか」

「はーい。すみませーん……」


 エルシィが店員に声をかけ、注文をする。

 そして、紙袋に入れてもらったパンを受け取ると、魔法のカバンにしまい、店を出た。


「どれも美味そうだったな」

「ですねー」

「昼が楽しみです」


 ホントにな。


「イパニーアの王都でウェンディがアトリエみたいって言ってた意味がよくわかるな」


 ショーウィンドウに並んでいるパンは芸術に近い。


「ですよねー。いつまでもいられそうです」

「御二人の店でも出したらどうですか? 錬金術で作ってみてくださいよ」


 錬金術でパン?


「作れないこともないだろうが、食べたいか、それ?」

「お客さんは敬遠するでしょうね……」


 薬とかと一緒に売るわけだからな。


「いやー、意外と流行るかもしれませんよ。食べたら頭が良くなりそうじゃないですか」


 そういうパン?

 もし、そういうパンを客が求めてきたら勉強しろ以外の感想はないぞ。


「そんなパンはないぞ」

「えー、ありますよ。レスターさんの前世で暗記ができるようになるパンがあったじゃないですか」


 それ、違う。


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― 新着の感想 ―
暗記ハ◯ンか マイナーな道具なのに作者様もみんなもよう知ってるw
確かにア●キパンを錬金で作ったら大ヒットしそうですけどね… ある意味それってエリクサー並みに危険物になりそう
ここであ〇きパン!
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