第62話 懲りない男。
エグゼの檻の回転が落ち着いてきた所でミチトがアプラクサスの前に行って「はい。これはアプラクサスさんに今日のお礼です。ありがとうございました。腕輪からファイヤーボールが出て魔水晶から術を使うから出なくなったらフラ達に術を込めてもらってくださいね」と説明をする。
授かり物のように両手で「おぉぉ…おぉ…宜しいのですか?」と言うアプラクサス。
ミチトも笑顔で「一日中お世話になりましたから」と言うと横のシックが「ミチト君…それはあまりにもイケズという奴ではないかい?」と言うと満足そうな顔のミチトが「シックさんにもありますよ」と言って手が消えて腕輪が出てくる。
アプラクサスとシックは震えながら上ずった声で「ファイヤーボール!」と言ってファイヤーボールを放つと感動に震える。
「さて、ウシローノさん達は四方向から4人がかりで連続20発の速射勝負です」
ミチトの言葉にウシローノは「…やります!」と言って前に出る。
イイーヨは「マスターはウシローノの扱いがうま過ぎだよ」と呆れながら前に出てイイダーロが「俺はそんな理由が無くてもライブさんを泣かしたコイツを許さないけどね」と言って前に出る。
イシホが「マスター!見ててください!」と言って前に出るとライブが「イシホ!1番取ってよね!」と声をかける。イシホは嬉しそうに「はい!お姉様!」と言って自分の場所まで駆け出した。
「ウシローノ!イシホには負けないぞ!俺達は男子術人間達の希望の星だからな!」
「頑張ろう!」
ここでイイーヨが「イブさん!1番取ったらご褒美ください!」とイブに手を振るとミチトが「…マスターとして支配力…」と怖い声を出す。
リナが呆れながら「ほら、大人気ないわよ」とミチトを注意した。
「じゃあ仕切り直して、皆は4人を応援するつもりで殺せコールをお願いしますね!」と言うミチトの声でトウテ中が殺せコールになる中、ミチトが「4人共始めろ!」と言った瞬間に4人の術人間達が一斉に「ファイヤーボール!!」と言ってファイヤーボールを放つ。
こうして放ったファイヤーボールでエグゼの檻は真っ赤に熱くなってエグゼが火傷に苦しむとミチトが氷結結界と言って氷の術でエグゼごと氷漬ける。
「後はリナさんとシヤ達だね」
「えぇ、私もやるの?」
困り顔のリナにフラ達が「リナさん!」「リナさん!」と声を送る。
「リナさん、コイツは少女趣味の変態なんだ。ウチのメロだってこういう奴を野放しにしたら困るよね?俺とリナさんの子供が女の子だった時も嫌だよね?」
リナは恥ずかしそうに「…もう、うまいんだから。何をすればいいの?」と聞く。
ミチトは「俺と手を繋いで、リナさんの思う術を俺が形取るから唱えて」と言いながらリナの手を取る。
リナは「皆が見てて恥ずかしいけど」と言うとミチトは「そうですか?俺は嬉しいですよ」と言って微笑む。
顔を真っ赤にしたリナは「わかったわよ」と言った。
「いい?言うわよ!ファイヤーボール!!」
ミチトとリナが2人がかりで手を回したくらいの大きさのファイヤーボールが放物線を描いてエグゼの檻に直撃をすると氷結結界を破壊する。
湧き上がる歓声。
術人間の子供達が「リナさん凄い!!」と喜ぶとリナは困惑の表情で「ええぇぇぇぇ…、凄いのはミチトで私じゃないのに…」と言う。
「いえ、リナさんは凄いですよ!氷結結界をキチンと壊す威力でしたよ!」
ミチトは我が事のように喜んでリナを褒める。
これにヤキモチを妬いたライブが「私もマスターとくっついて術を放つ!」と言って、ミチトに抱き着く。正直今日のライブは参っているので仕方ないと許すのだが、放った術はサンダーデストラクションと言う術でミチトがわざと檻の周囲に散らしたがライブは怒りに任せて全て直撃コースだった。
これでもかと降り注ぐ雷にシイが「スッゲェ…雷」と言いシヅが「流石はライブさん」と言う。そしてヨミが「エグゼに当たらなくしたマスターも凄い」と言った。
シイ達はそんな事を言いながら前に出るとシヤとシーシー、フラとライ以外のエグゼの術人間達を集めた。
その時にかつて自分が欲望の限りをぶつけた少女達を見つけて恐怖の中でも嫌らしい目を向けるエグゼ。
「エグゼ・バグ!俺たちの恨みと怒りを思い知れ!皆!」
シヅの声で全員が思い思いの術を織りに向ける。
一斉射で檻はギリギリ壊れていない形になっていた。
ミチトは先程のエグゼの目を見ていた。
静かに怒りながら「フラ、ライ。檻を溶かせ」と命じる。
「マスター?」
「了解」
2人は檻に触れると火の術を送り込んであっという間に檻を溶かす。エグゼは鉄の溶ける中でも悪態をつく。
「ファ…ファーストロット…お前達のせいで…」
「エグゼ…、生きている事に感謝しろ」
「生きて苦しめ」
残すはシヤとシーシーになったがミチトは前に出ると「金色!君もトウテの一員だ!頼む!」と言った。
「シヤ、シーシー、少し待って」と言うと奥で見ていた金色が「真式様!お任せください!」と言って出てくるとエグゼを睨んだ。
「卑しき男よ!妾の名は金竜!遥か東の地を守護する者!そして真式様が身を寄せるこの地を守護せしもの!」
この名乗りの後で全裸になる金色を見て目の色を変えるエグゼ。
金色はエグゼ好みの体型をしている。だがエグゼがいやらしい目を向けられたのはここまでだった。
「変化術!!」
この言葉で金色は金色の竜の姿になった。
突然の事に言葉を失うエグゼを器用に右の手で捕まえると天高く飛び立つ金色は「真式様、落とします」と言って手を離す。
「わぁぁぁぁっ」と言う声で落ちてくるエグゼ。
「やるか…身体強化!からの…ヒールインパクト!!」
ミチトは落ちてきたエグゼが再び飛び上がる勢いで殴って受け止めると仰向けに下ろす。
「金色!」
「御意!」
金色は急降下してエグゼを踏み付けるギリギリに着地をすると「卑しき男よ、真式様の怒りはまだ片鱗!覚悟をするが良い!」と言って人間の姿に戻る。
術人間の子供達とトウテの一員達の声援。
「格好いい!」
「金色さん!凄い!」
「やべえ!サイコーだぜ!」
「ヒャッハー!燃えたぜ!」




