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48番のシヤ。~俺、器用貧乏なんですよ。外伝~  作者: さんまぐ
過去を取り戻す少年とたどり着いた先で再び出会えた少女。(全9話)
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第60話 手向けと仕返し。

「これはシーナや皆への手向けだよ。見てて」

ミチトの手が消えるとこれでもかと鉱石が出てくる。

山のような鉱石を見ながら「シヤ、シーシー、君達のシーナ達を借りるよ」と言ったミチトは「術で形を変える!」と言い鉱石が光を放つとあっという間に等身大のシーナの形になる。

それはシーナそのもので「ごめん、服は苦手で記憶の服だからエグゼのところで着させられる服になっちゃったよ」とミチトは謝る。


横に首を振るシヤが「シーナ…、マスター…シーナそのものだよ」と言うとミチトはホッとした顔で「良かった。次だよ」と言って次々にヨンゴとシローも石像になる。

3人の像に向かって「こんな形でごめん。ようやく君達をトウテに連れてこられたよ」とミチトが言う。


シーナとヨンゴとシローの石像は3人並んでいてエグゼの所での暮らしを思い出させる。

シヤは「マスター、お願いばかりでごめん。でもお願いを聞いて欲しいんだ」と言う。

ミチトは「言っていいよ。何?」と聞く。


「この像の横に俺とハーモの像を置いて欲しいんだ」

「マスター!俺も!」

「俺も置いて!」

「マスターお願い!」

「マスター、私も…、エグゼの所で暮らしたフォースロットは皆で居たいよ」


「いいよ。完成図を描いて頭に送るからそれでいい?」

ミチトが見せたのはハーモを抱く優しい笑顔のシーナの横に立つシヤ。その横にシーシー。笑顔のシローとヨンゴの周りにシイ達が一緒に楽しそうに笑う姿だった。


「マスター?出来る?大変じゃない?」

「気にしないで…俺は君達のマスターだ」


ミチトが作った像を見てシヤ達は涙を流す。

「着いた…俺達全員が辿り着いた。マスターの所に…、ミチト・スティエットの所に着いた」

「うん、着いたよ!着いたよシヤ!」

「マスター、ありがとう!」

「助けてくれてありがとう!」

「俺達頑張って生きるよ」


こうして葬儀は終わる。

ディヴァントでは亡骸は深く埋めた方が肉体と魂の繋がりが遠ざかってより身軽に向こうに行ける為に深く埋めるのが愛情だと聞いたミチトが「本気出すとここから見た時に豆粒サイズまで埋めてあげられますけどやります?」と言い出して周囲の大人達がドン引きする中でシヤ達術人間は「マスターお願い!」と言う。


「じゃあ見せてあげるね」

そう言ってシーナの亡骸を本当に豆粒サイズになるまで術を使って地中深くまで埋めた。


「シーナ・トウテの亡骸に黙祷!」

ヨシの声で皆が黙祷をする。


厳粛な空気の中でミチトが「さて、復讐の時間だよ!」と言う。


呆れるヨシ達を前にセルース達は「おう!何すんだ!どっちのドクズからやるんだ?」とウキウキとする。


「貴族からです」

この言葉にトウテからは歓声と「殺せ!」コールが湧き上がった。


「てっきりお預けかと思ったぜ!」

「ヒャッハー!」

「俺達にも仕事あんのかミチトぉぉっ!」


「はい。全員参加でお願いしますね」


何かと思えば大人達はエグゼを傷つけないように「殺せ!殺せ!」と言いながら檻を蹴り付けて恐怖心を植え付けて術人間達も「殺せ!」と言いながら檻に向かって術を放つ。


これにはヤァホィ達も参加をしていてシーシーは意外そうに見る。

ヤァホィもエクシィもライドゥも「殺せ!」と言いながら怖い顔で檻を蹴る。

あの優しい面持ちからは想像もつかない姿に見ていて怖くなるシーシー。


わざとエグゼに向けない理由を聞かれたミチトは「この後特権剥奪とか惨めな暮らしが待ってますから楽にはさせませんよ」と笑顔で言い放つと「特権剥奪」「ウケる!!」「ザマァぁぁぁっ!!」とトウテが湧く。


仕返しはイブとライブの番になる。

「マスター、何していいの?」

「イブ達もやっていいんですか?」

「勿論だよ!はいコレ」

ミチトが鉄の棒を2本ずつ渡す。それは長さが違っていて長い方がイブ、短い方がライブになっていた。


「これって…」

「檻に向けて二刀剣術、六連斬でよろしく」


「やるよ!」

「うん!」


イブとライブが前に出て怯えるエグゼを見下ろす。


「私はライブ・スティエット。お前みたいなドクソに天罰を与える無限術人間」

「イブはイブ・スティエット。マスターが生み出してくれた完璧な無限術人間。思い知ってください」


2人の女性が放つ殺気にトウテの空気がヒンヤリとする。

一瞬の沈黙。


怖い顔のライブが「イブいい?」と聞くとイブも怖い顔で「ライブのタイミングに合わせますよ」と言った。

ライブが大きく深呼吸をする。


「「二刀剣術!!」」

「「六連斬!!」」


イブとライブが一瞬で6回鉄の棒を振るうと一瞬で檻からは「ガガガガガガ」と言う音が鳴り響く。それは嵐が屋根に雨を打ち付けるような速さで檻からは火花が散る。


恐怖に「あぁぁあっ!!」と叫ぶエグゼの声すらかき消すほどの轟音。


名残惜しそうに「イブ…」と言うライブに「足りませんよライブ…いくつまで出せますか?」と聞くイブ。


「練習したから身体強化無しで10」

「了解です」


「「二刀剣術!!」」

「「十連斬!!」


耳が痛くなる轟音の後でニコニコ笑顔のミチトが「…2人とも、殺せって言いながらやってくれないとダメだよー」と言うとイブとライブは棒読み笑顔で「アー、シマッター、マタヤラナキャー」と言って再度六連斬を放ちエグゼにこれでもかと恐怖を与えた。

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