17 仲直り
俺は、ケイを自分の部屋に連れ込んだ。
帰っている途中で気が付いたのだが、ケイはどうやら
襲われたショックで、頭が混乱している様だ。
(そうに違いない。
…だって何時もなら恥じらう行動を、簡単にとってるし。)
例えば、人の匂いを嗅ぐなんてしないし
何時もなら裸見られたら隠すし…。
この状態で家に帰したら、家族が心配してしまうだろう。
俺は、ケイの母に電話で、ケイが俺の家に居ると連絡する。
するとケイの母は、家が隣だから安心した声で許可した。
「覚えていない?」
俺はまず、彼女にアルバムを見せる。
「思い出せそうだけど…思い出せねぇな…。」
「……そうか。」
俺は悲しそうな声で言ってから、彼女を優しく抱きしめる。
彼女は少し驚きながらも、振り解きはしなかった。
「…あれ?アタシなぜ…?」
気付くと、彼女の目から涙が溢れ出ていた。
彼女は必死に手で拭う。
しかし、涙は止まることなく雨のように流れていく。
「おかしいなぁ~、貴方に抱きしめられたから止まりそうもないや…。
なぁ、貴方はアタシの何者だったのか?」
鼻をすすりながら、彼女は尋ねた。
抱きしめてる腕に、思わず力が入ってしまう。体が震える。
土砂降りの雨が降るような涙が、ソラの目から溢れる。
「…俺等は恋人同士だよ…忘れるなんて酷いよ…ケイ。」
闇の中で、私を呼ぶ声が聞こえた。
その声に導かれるように、ふと目を覚ますと
ソラ君が、私を抱きしめながら泣いていた。
(あれ…?なんで私ソラ君の部屋にいるのかな…。
あれ…ソラ君なんで泣いているの…?)
泣いているソラを虚ろな瞳で眺めながら、ケイは呟く。
「…なぜ私は、ここに居るの?」
「ケイ?…元に戻ったのか?!」
そう言い、私の顔を見て喜びの表情を浮かべた。
そして、また私を力強く抱きしめ、耳元で囁いた。
「ごめんなケイ、俺が油断していたせいで…
ケイをこんな目に合わせてしまって…。
これからは絶対、俺がケイを守ってみせるよ。
どんな手を使ってでも…。」
「こちらこそ…ごめんねソラ君。
心配してくれてたのに、素直に聞けなくて…。」
私は心を込めて、謝った。
ソラ君は「ううん」と首を横に振り
「いいよ。ケイが無事で居てくれたのなら…。」
そう言って私の顔を見つめながら
顔をそっと近づける。そして唇を重ね合わせキスをした。
そっと唇を放し、見つめあって2人仲良く微笑んだ。
「ケイは俺が守る。」
ソラ君は、真剣な顔で言った。
次の日、ソラ君に昨日合った事について、聞いてみた。
私は昨日の事に付いて、何も覚えていなかったので。
しかし、ソラ君は何も教えてくれなかったけど、「まあいいか」と思った。
(そんな事よりも、ソラ君と仲直りが出来て良かったです。)
そう思いケイは、ソラを見つめて嬉しそうに微笑んだ。
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