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カタリは新たなスキルを手に入れた


「とりあえず詳しい話はまた後ほど、という事であの時は解散したが、まあ実際質問会っていっても、私達が君にあれこれ訊く様な事は大してなかったんだよ。寧ろ、君からの質問を受ける為の意味合いが強いね、このおやつパーティーは」

 

 もう隠す気もねえな。おやつパーティーって言っちゃったナツミはなぜかドヤ顔だ。なんだか腹立たしい。


「そういう力を持ったなら、今後どうするべきですか? とか、俺どうなっちゃったんですか? とか、おやつは三百円までですか? とか、何か色々、あるだろ? 生徒会、先輩として、知ってる事は答えてやるぞ?」


 ねぇし。俺は一応目を閉じて、考えてる素振りは見せておく。


「あ、ちなみに私のスリーサイズは正解だ。それについては覚悟は出来てるな? カタリン」

 絶対くると思った。なぜスリーサイズにしたんだろう。いや、あの時会長抱っこしてて、なんか柔らかかったモノで、つい。

──冷や汗が、俺の頬をつたう。


「んんああああ!! すみません!! すみません!! こめかみイテえぇぇ!!」

 会長のアイアンクローが俺の顔面を容赦なく締め上げた。


「なんですか会長、スリーサイズって」

「ああ。このセクハラボウヤは空の上で私のスリーサイズを的確に言い当ててな。昨日測ってサイズアップを確認したバストもドンピシャだったから恐れ入る」

「静かにしてください会長!! 神聖な教室で破廉恥な!!」

 バストアップ報告にブチ切れたサリオは、自分から訊いといて黙らせてきた。


「……ちょ、カタリさん、そんな変なモノまで見えているのですか……?」

「そんな変なモノって言うな姫」

 顔を赤くして胸を隠し始めた姫に、会長はショックで固まった。


 シズカの精神攻撃によってチョットやるせない感じで拘束が解かれた俺は安堵の息を落とし、やや困惑気味に誤魔化しておいた。

「いや、なんとなく程度だよ。こう、粒子が、なんとなく見えるんだ。なんとなく阻害の薄い部分も判ったからこそあんな感じでアクロバットもうまくできたし。うまく知ろうと思えば知れるという事で、別に俺はそういうプライバシーをすすんで探る気なんか無いから」


「騙されちゃダメよみんな。授業中、私を見る彼の目は確かにケダモノだった」

「黙るがいい冷やし軍人!! その低い声は冗談に聞こえないんだよ!!」

 どこまでもクールな軍人女性に指を突きつけ、ビシッと言い放つ俺。

──サリオ、胸、隠さなくて大丈夫だぞ。やめなさい。


「だまされなきゃダメよみなしゃん。ワルディーをみるアレな目は、たしかにナマケモノでしゅた」

「オマエは何言っても冗談にしか聞こえないんだよ!」

 隙あらばノッかってくる小娘に俺はビシッと言ってやった。

──ナツミはなんでこのタイミングで胸隠したの。やめなさい。



「ふむ。まあ、見習い戦士カタリはナゼかレベルが上がった、スリーサイズを言い当てれる様になった、的な成長を遂げたと。──こいつはおもしろくなってきやがったな」

「どんなRPGだよ。もうエロゲーだよ」

 目を光らせるナツミに、俺は固まった。


「卑猥なレベルアップしやがって。とりあえず停学という方向で」

「アンタそれで助かったでしょう?!」

 眼鏡を光らせる会長に、俺は固まった。



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