黒の刺客
「あ! 危にゃいリュシロ!」
あ、前回のおさらいではなく、ワルディーは二回言いました。
──むう、なんだこのお方は。いきなり人を生意気呼ばわりして。
無礼な方だと思う。
校舎内の探検へと向かう俺とワルディーの前に、立ち塞がる女子が一体現れた。
コマンド?
[たたかう]
[いやらしい目で見る]
[ちょっと触ってみる]
[もう、出す]
[たた──いやらしい目で見る]
いやとりあえずこれ以外やっちゃダメだろ。
(※これもダメです)
俺は立ち塞がる女子を下から上へと、ゆっくり、ゆ~っくり、見た。
「──え、やだ、チョ……何?!」
女子がビビる。
──ふっ。当然だ。
俺の魔眼は神の仕掛けた世界さえも見破れる。
そう……。
終わりだよ、女子。
ふんふん。う~ん。
……小学生? ワルディーよりも小さいか?
一応、弾帯ベルトやマガジンポーチを備えた遠距離戦仕様の黒い高等部制服だ。
その上に同色でネコミミフード付きのパーカー着用。長い髪がフードから垂れ下がっている。
ちょっと強気なカワイイ黒猫って感じです。
ランドセルが似合いそうなんだよな~。でも制服は高校生。
まあ制服は戦闘スタイルに合わせて結構自由なモン着てるからなぁ、みんな。
大人ぶった小学生が高等部に忍び込んだ、という事で俺は決着しといた。
制服の話題に触れたんで軽く説明しておくと、学校にもよるだろうが標準制服をそのまま着用してる奴の方が少ないくらいだ。大体がカスタマイズされている。
シズカとサリオなんかは見た感じ、標準のセーラー服に防弾、防刃加工あたりを加えた強化セーラーだろう。
その上に耐熱やら耐衝撃とかブチ込んだアーマーロングコートを羽織っている。
マガジンポーチやらの弾薬系装具は最低限に抑えたショートレンジスタイルだな。近接戦特化。
アーミーナイフとかハンドガンあたりを太もものホルスターに装備してるくらいなんだと思う。
ナツミはそれに少し弾薬系装具が増えた感じ。ミドルレンジスタイルかな。
隣で固唾を呑みながらもエビせんパリパリ食ってるワルディーはもうデザインから別物だ。
最初の出会いの時と変わらない、赤と黒が際立つセーラー服。
ロングコートはちょっと中世の貴族を思わせる様なデザインです。
銃装備は見たところ一切無し。超ショートレンジ女子ワルディー。てかあの巨大兵器反則だろ。
──で俺は、折り襟と長い裾が特徴の強化学生服。
ガクランって言うより軍服的なデザインに近いかな。機動性を重視したアサルトタイプだ。
銃装備は最低限。火力は別のモノに頼っていたからな。
……うん、まあ、今それはいいや。
「ふ、ふえぇ、うう」
あゴメン女子! 忘れてた!
ぼーっと見つめたままだったわ。これはキモイ。
やっべ、黒猫女子泣きそうだ。どうしよう。
てか何この状況。




