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男の娘 第二十四部 第四章

「ああ、忘れてた。あの邪神って捕まえたら駄目なの? 」


「は? 」


 俺が姉の身体でギースに聞いた。


「いや、相当強いって言ってたけど、火力と数と毒矢には勝てないのではと……しかも、無茶苦茶しているみたいだし殺しちゃいそうではあるので……」


「いやいや、そう言うのってどうなんだ? 」


 ギースがドン引きしている。


「まあ、うちの修羅は手加減なしでするでしょうしね。特に毒矢は古代種のオークで効きが悪かったって言ってて、さらに毒の追加をしてましたから」


「見た見た、あんな風に混ぜ混ぜして毒として大丈夫なの? 」


「そういうのの専門家の家系の奴が修羅にいるんですよ。それで皇太子妃の異世界の知識とかを得て研鑽して、さらなる猛毒を産み出してますから」


「そう言うのって何かあったらどうするの? 例えば仲間に刺さるとかさ……」


「死にます」


「……」


 姉が無言になった。


 ギースもさらにドン引きしている。


「……こんなアホな集団を良く作ったね」


「いや、全ての原因とか相手に言われているグリュンクルドさんに言われると少し心外なんですが……」


 グリュンクルドの突っ込みに俺が姉の身体で突っ込んだ。


「僕はあくまで、たわいのない無邪気な思いをやらせただけだよ。異文化の男の娘とか気になるじゃないか。エーオストレイルの恋愛ってのも凄く気になってて、人を愛するとかそう言うのが我々にもあるものなのか探求の結果なだけで」


「で、そんな、人間に化けてみましたって奴か」


「私の姿が可愛いらしいんだけど? 人間の反応を見ると」


「自分ではそうは思ってないの? 」


「良く分からない。そう言う感情って無いから。実験しているうちに芽生えるかなって思ってやったんだけどね。特にエーオストレイルの気持ちはダイレクトにわかったから、へぇぇぇとかほぉぉぉぉとかそんな感じで、うっとりしているからさ、凄い気になって気になって」


「それで俺とって話になったんだ」


「だって、血筋として近しいでしょ? 」


「ああ、匂いがな」


「それなら、普通の人間と比べて、そう言う感情になりやすいかなと思ったんだ」


「で、どうだった? 」


「邪魔されたし、わかんない」


「まあ、正直、餌の感情なんか良く分からんもんな。モンスターの方が美味いからずーーーっと食べてないけどさ。恋愛とか言葉ではわかるけど、交尾とかするわけでしも無いし、分かるわけは無いよな。身体の構造的に無いんだもの」


 ギースが淡々と話す。


 それで個体数が増えないのも、当たり前だよな。

 

 そもそもが、突然に現れるって言うし、そうなると神殿で作ってたって話が真実味が出る。


 いきなり現れるってのはあり得ないし。


「作り物の世界って事? 」


「そう考えるのが普通だよね。もしくは何かあって作られた社会だと言うか」


 姉の身体で姉の問いに答えた。


 正直、材料が無くて良く分かんない。


「つまり、捕まえて、尋問したいと言うのか? 」


 ギースが最初の俺の話に戻った。


「喋るかなぁってのはあるけど」


「やってみるか? まだ生きていると思うが……」


「結構、派手にやってますけどね」


 などとギースの感想にヨハンが突っ込んだ。


 どんだけ火薬とか持ってきてんだよって感じで爆発とか火災が起きている。


 所詮、黒色火薬だし、密閉した場所でないと破壊力は言うほどでない。


 そう言えば、ダイナマイトですら、漫画とかでは吹き飛ぶ表現が良くあったけど、実際には元ヤクザの作家の実話だと手に持ったまま爆発してもケガする程度で手が吹っ飛ぶことは無いらしい。


 密閉した場所でないと爆発力が無いのだ。


 だから、その辺りは修羅も心得ていて、火計用に持ってきた油とかと混合して燃えるようにして使っているらしい。


 ズズン! 


 信じ難いほどの爆発が突然、目の前で起きた。


 連鎖するような爆発だ。


「おいおい、無茶苦茶黒煙を出して燃えているぞ? こないだエーオストレイルに使った奴と同じような燃え方をしている」


「あれは? 」


「多分、同じものだと思う。原油みたいなものなのだと思うけど。とにかく爆発力があるよね。精製してないけどガソリンみたいな感じで燃えたな。こないだの時と一緒だ」


「うちは使えそうなの見ると、次々とそれを取り入れて、ドンドン改良していきますからね」


 などとヨハンが胸を張った。


「どっちかってーと大きな火事になりそうなんだけど、どうするの? 」


「燃えるだけだよね」


「なんで、そんな投げやりなの? ここは魔物の森とか言われて、私達邪神の生き残ってた連中が暮らしていた最後の楽園みたいな感じなんだけど」


「え? ここにいたの? 」


「食えるモンスターもいるし、人は怖がって入ってこないからな。モンスターも人間を外に出て襲う事はめったにしなかったから、結果として棲み分けになっていた場所だ」


「とにかく、案外あっさりと終わるかもしれないので、早めに連絡しませんか? 」


「言う事を聞くかどうか分かんないけど、今の爆発した奴は使うの無しで、とにかく止めて欲しい」


「分かりました」


 そうヨハンに頼んだ途端に同じような爆発が起きて火が燃え広がる。


「ああ、相変わらず、コントロールが難しいな」


「そんな軍隊を作るなよ」


 俺が思わず、姉の身体で呟くと、即座に姉が突っ込んできた。


「我々も参加するべきでは? 」


 ギースが積極的に言ってきた。


「毒矢を打ち込んでくるかもしれないから、森に入るのはちょっと止めた方が」


「なんでだ? 」


「味方だから目立つ場所にいるなら誤射は無いと思うけど、森の中に入っちゃうと、あまり考えてないで射ってくるかもしんない」


「何も出来ないじゃないか! 」


「いや多分、うちの基本は包囲殲滅と挟み撃ちだから、ここで待ってたら追い立てて来ると思うよ」


 ギースが叫ぶのでそう答える。


 軍団を100人くらいの部隊にしてんのも、包囲殲滅と挟み撃ちをやりやすくするためだし、後方から追い立てているような動きは見せている。


 だから、こちらが主力なんだから、後方部隊にしたら当然に、その邪神とやらを追い立てているはずなのだ。


「すでに索敵内に追い込んできている。一体だね。二本足で立っている奴みたい。武器も持っている。これは確かに強い」


 索敵内に入ってきたので、素直に俺が感想を言った。


 考えてみると、こないだの古代種のオークは普通の邪神だった。


 だけど、これは違う。


 明らかに戦闘を意識した改変を身体にしている。


「つまり、あんたを……まあ、私もだけど殺すために作り上げた個体だって事? 」


 姉が俺が思っていることを読んだらしくて、それで突っ込んできた。


「そう考えるしか無いよね」


 そう言いながらも森が激しく揺さぶられているので、大体にそこにいるのは分かる。


 静かに移動しないから、獲物を狩るタイプの邪神ではなく、純粋に戦闘タイプのようだ。 

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