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突然のレイド

カシムさんのお店は、とても綺麗だった。幸い道中で得たお金があるので、今後も役に立つであろうアイテムをいくつか購入する。



「ありがとうございました。」



「またいらっしゃい。」



さて、宿に向かうか。確か〈猪亭〉だったよな...



「ふう...」



宿のベットに腰掛ける。決して高いベッドではないが、綺麗にそうじされている。いい店だ。

セーブもしたし、そろそろログアウトするか...



「反転。」



翌日。学校では特に何も起こらなかった。強いて言うなら、そろそろ職業体験事業が行われることぐらいだ。

久しぶりに壊れたメガネを机から取り出す。そうだ。この眼鏡をポリ袋にでも入れて《悠久のバックラー》にしまえば向こうにもっていけるじゃん。

向こうならなおす方法も見つかりやすいだろう。そうと決まればさっそく。



「反転。」



よし。ちゃんとバックラーに入ってる。確かこの村にも《修繕》スキルを持った職人さんがいたはずだ。そうと決まればさっそく...あれ。

メガネをバックラーから取り出すとメガネが壊れていない。治ってる。



「え、じゃあ...」



急いで宿に戻り、セーブをする。



「反転!」



...やっぱりだ。治っている。あんなにボロボロだったのに...

壊れていたほうのメガネに付け替える。うん。こっちのほうがしっくりくる。



「反転。」



もう一度ログインを済まし、戻ってきた。



「このメガネどうなってるんだろう。」



《鑑定》スキルを使う。


[賢者の双眼(メガネ)]

異世界で作られたメガネで、特殊な金属で作られている。装備の中でも珍しい、効果の切り替えが可能な装備品である。

装備すると、MP+∞/効果なし、《破壊不能》/《形状保存》(所有者固定 ヨシヒロ)


なにこれ。え、つまり俺がいつも使ってたメガネってじいちゃんの異世界のやつだったってこと?

しかも効果の切り替えってことは...

魔法のない"表"世界でMP無限と《破壊不能》が働いて、こっちの世界で《形状保存》が働いてたのか...道理でメガネが治ってるわけだ。


...気のせいか外が騒がしいな。



「すいませーん」



1階の受付兼酒場に降りてくる。なんだか皆の様子がおかしい。



「おい、兄ちゃん。」



プレイヤーの一人が声をかけてくる。



「あんた運がいいな。今からレイドボス討伐が始まるらしいぜ。」



え...てことは



「まあ当分の間この周辺の区間は締め切られてレイドが終わるまで使えないから今のうちにアイテムとか買っとけよ!」



あああ...このままじゃ依頼達成のボーナスがもらえない...かくなる上は...

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