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現実世界で咎人になった私は、お咎めを喰らう前に、異世界のお人好し貴族の娘に憑依して、今度こそ自由気ままに無双します。

初めまして!

数ある作品の中から目を留めていただき、ありがとうございます。


本作品は、周囲の勘違いや、両親の期待に振り回された主人公が、とある公爵家の娘に転生して、異世界でやりたい放題(?)するファンタジーです!


学業の合間に執筆しているため、誤字や、分かりにくい文面があるかと思いますが、温かく見守っていただけると嬉しいです。

いつものアラームの音が、私の部屋に鳴り響く。朝の音だ。


「うわ、朝じゃん、二度寝したい。」


という私の心の声をぐっと押し殺す。


そして、まだ開かない目の代わりに、手が必死にスマホを探し当ててアラームを止める。


渋々体を起こし、カーテンを開けて、朝のおはようを聞く。


ちょっとだけストレッチして、制服に着替え始める。


「今日は、苦手な数学があるんだっけ。」


と、またもや心の声。

「そうだよ。めんどくさいねー。」と脳内でセルフ肯定をしながら、ベストを着終えた。


部屋のドアを開けて、教科書が数冊入った、ちょっと重いかばんと一緒に、ドタバタと階段を降りた。


階段を降りたすぐそこにある玄関前に、かばんを床に放り投げて、居間とダイニングテーブルを通り越して、洗面所へと向かう。


顔を洗って、髪をひとつに結んで、ちょっとだけメイク…。

そんなことをしていたら、またもやアラーム。7時の音だ。慌てて、準備をすませる。


私の大嫌いな部屋、パントリー。ツンと鼻の奥まで突き刺すような臭い。そして、チーズが腐ったような臭いがする。


私がやらかしたあとの臭い。両親が「逃がさない。」とでも言うように臭いを放つ。


そこから、明日にでも死にそうな、トーストを救出。

トーストにバターをこれでもかと乗せて、トースターに入れて4分。


「まだかな、まだかな。」


と足が右往左往。


―チンッ!


と、美味しく仕上がった音が聞こえて、トーストを取り出す。そのまま立ち食い。


「いただきます!」


パリッと音をたてたと思えば、じゅわっと広がるバターの味。


「やっぱり、何枚でも食べたくなるこの味!」


そんなことを思っていたら手元にトーストはもうない。


「ごちそうさま!」


再び洗面所に向かって、歯を磨く。

「……よし!」準備を済ませて玄関に。


フリマアプリで買った、あの薬がポケットにあるのを、しっかりと確認した。


「行ってきます!」


って思ったけれど、よくよく考えたら、学校行かずに、

「家で、親ともろとも、死にましたー。」って方がいいんじゃね?……でもあの薬だよなぁ。


※※※



数日前――。


1人は、ほぼ事故、もう1人は故意で……。まあ、色々あって、実の両親を手にかけて、立派な咎人となった私は、イカれてしまった。


「もう終わりだ。」


と無心で『罪人 幸せになる方法』、『親を殺した 逃亡』、『桃源郷 どこか』なんてことを調べていた時に、たまたまフリマアプリで販売されていた『桃源郷で生きられる錠剤薬 価格、5000円』を見つけた。


「怪しすぎるだろ。」


そう思ったのに、どうやら手はそれを欲したらしい。

気がついたら、販売者に購入後のメールをしていた。

通知音が鳴って画面を見ると、販売者が即レスしていた。


「暇なんか?こいつ。」


と思いつつも、テンプレ会話を終え、画面を閉じた。

そして4日後、あの薬が届いたのだ。


小さなチャック付きポリ袋に、たった1錠入った桃色の薬。実に怪しい。



※※※


「いかにもって感じだよなぁ……。」


と思ったが、失う物もないので、飲んでみることにした。


口に含んだ瞬間に、口内に不快な甘みが広がった。すごい甘ったるい。その不快感を水で誤魔化す。


次第に、視界がぐわんと歪む。


「あー、これお亡くなりエンド?」


と呟いたのが最後の言葉だったのは唯一の後悔だ。


――だが、私の意識は、そのまま暗闇に落ちることはなかった。


「……あれ? 私死んだんじゃ……?」


そう思い、目を開けると、そこには、豪華な天蓋付きベッド。そして、横から、涙を流しながら私を覗き込む、美男美女に、美少年がいた。


「ああ、娘よ! 目が覚めたのだな!」


「リヴァイア様、ありがとうございます……!」


「ルナ、起きたんだね。本当に良かった……!」


な、誰この人たち。ていうか私を「娘」、「ルナ」って呼んだ?


慌てて自分の手を見ると、元の女子高生の手ではなく、お人形さんのように白くて綺麗な、儚げで、可愛い女の子の手になっていた。


同時に、頭の中にこの体(元の人格)の記憶がパッと流れ込んでくる。


……どうやら私は、とある貴族の娘に憑依してしまったらしい。


「……ま、まさか本当に異世界逃亡できちゃった!?」


と叫びたいところだが、悪霊でも憑いたと思われては、すごく困るので、心の中で叫んでおいた。


まあ、ほんとに転生するとは思わなかったけれど……、

前世で、周囲に振り回され続けた私の、お気楽な異世界無双ライフ、始めるぞぉ!

第1話をお読みいただき、ありがとうございました!


学校に行かずに「家で死んだことにしようか」とまで悩んでいた主人公ですが……

怪しすぎる5000円の薬によって、ついに異世界生活へと逃亡してしまいました。


パントリーの「あの臭い」の秘密や、主人公がやらかしてしまった過去についても、これから徐々に明かされていきます!


次回から、いよいよ異世界での「やりたい放題(?)」な新生活がスタートします!


周囲に振り回されっぱなしだった彼女が、向こうの世界でどんな大暴れ(?)を見せるのか、楽しみにしていただけると嬉しいです!



少しでも


「おもしろい!」


「続きが気になる!」


と思ってくださったら、

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