第1話「界魔と闇の妖怪」
とある道具屋の養子の異神界魔。彼はふとした事で幻想郷の八雲紫に出会い、自分の全てを見つける為に幻想郷に来てみてはと促される。そして、界魔は紫の言葉を聞き入れ幻想郷に行く事を決意した。
紫と名乗る女性の後に続き、彼女が作ったスキマの中を歩いている。周りは複数の不気味な目がギョロリと動き、とてもこの世の物とは思えない気分を今十分に味わっている。
辺りが広いスキマの広場?みたいな所へ来た時、紫の足が止まる。そして私の方を振り向き真剣な表情で私に話しかけてきた。
「説明が遅れてごめんなさいね、ここが貴方のいる世界や幻想郷を結ぶ境界の道。幻想郷はもう目の前にあるわ」
成る程、これが互いの世界を結ぶいわばトンネルと言ったものか。この紫とか言う女性、やはり人知を超えた力を持ってるのは間違いない様だ。しかし気になる、先程霧雨店で言ってた私の力を知る為にとはどう言う事なのかが。紫に言葉を返す。
「先程仰ってましたよね?私の能力がどうとかって。それは私にも紫さんの様な力があると言う事なんですか?」
紫と言う女性は溜息混じりな呆れ息を吐き、アヘ顏染みた顔をこちらに見せると即に返事を返された。
「言ったでしょ。能力って言うのは自分で探し求める物なのよ。私が、じゃあこの能力を使いなさいとかみたいじゃないの。やっぱり貴方には少々ばかし経験した方が良さそうね」
経験?それは何かの試練か何かなのか。少なからずこれから向かう先は私の様な普通な人間には危険な場所である事には変わりない。だが、下手に断ってこの場で消されるのはもっと地獄だ。もう私は後戻りは出来ない所まで来ている、やれる所までやろうじゃないか。
「良い目をしてるわね。だけど、幻想郷はそんなに甘くはないからね。そうね、先ずは生き抜く事を考えなさい。どんな事が直面しても自分を見失わなければ、必ず生き長らえる事ば出来る筈だから」
スキマの入口が開く。先が真っ暗な所を見ると、この先は夜なんだろう。正直、身体が震えている。だがこれは恐怖から来てると言うより、自分の夢を叶える絶好のチャンスと言う意味から来てる震えと言い変えても良いだろう。
紫の方を向く。この時の紫の表情は凄く穏やかで、悪意や企み等を考えてる表情とは全く違って見える。どうか真実を見つけて、そう言う意味が染み染みと伝わって来る表情だ。もしや、紫は私の真実を知ってるんだろう。聞けば教えてくれるだろ。だが、私は言う気は起きない。紫は私にチャンスをくれたんだ、幻想郷と言われたこの世界に私の真実が。いや、全てが眠ってるんだと。
「紫さん。私はあなたにこうして会えて本当に良かったです。私はきっと、全てを見つけて再びあなたの元へ戻ります。どうか見守ってて下さい。」
「甘いわね、貴方の考えは。私はいずれ貴方と闘わなければならないのよ。良い事、甘えは捨てなさい。見守ってあげない訳じゃないけど、勘違いはしない様にね。私と貴方は敵だって言う事をね…」
その言葉を最後に私の視界に映る物は急変した。スキマの中の空間はもうスピードで私の事を吸い出すかの様に流れ私の身体は先程の入口となっていたスキマへと押し流されて行った。
私の身体がまずスキマから飛び出したら、まず最初に起きたのは木の高さくらいの所からの落下である。急な落下で尻に痛みが走るが直ぐ止みそうな痛みなので暫くはそのままで周りを見回した。
周りは草木や木々に囲まれた夜の樹海の中と言うべき場所だ。これと言って道も無ければ、居る所が居る所なのでどの方向が正規ルートなのかさえも全く分からない状態だ。
でも、夜とは言っても真っ暗ではない。それは夜空が照らす星屑のおかげみたいだ。私の元いた世界では、ここまで綺麗な星屑は中々見れた物ではないとつい感心してしまう。
痛みが引いて来た、そろそろ動かねば。だが、何処へ行けば良いのか?よく昔の人は星で時間が分かったり、場所が分かると言ったものだが経験が無いとそれも不可能で終わってしまう。
「とりあえず、水が流れてそうな所を探すとするか。水があるか心配だが…」
水がある所には人が住む、これもよく言ったものだ。とりあえずそこまで辿り着けば、夜は水で夜明けまで待機してれば良い。
妖怪の本とかでも、彼等が活発に動くのは夜だ。そんな時に迷ったり下手に動くのは、自殺行為の何者でもない。私の目的は先ずは情報も大事だが、この世界の住民となって生かせて貰う事が先決だ。それが例え、妖怪や悪魔であってもだ。
「それにしても、木々が生い茂っているな。底なし沼なんかに踏み込んだらお終いだからな。気を付けねば」
暫く歩いている。ふと周りの樹海が先程より闇に覆われて来てる気がしてならない。時間経過で夜が明けるならわかる、しかし闇に覆われると言う事は一体?
「まさか!?」
人の気配が身体全体から伝わって来た。紫か、いや違う。そんなに強大な力ではないが、闇の中で誰かが何かを仕掛けて来ようとしている。何だ?何を仕掛けて来るんだ?
その直後、もうスピードで弾幕が界魔の正面に放たれた。それは界魔を飲み込まんばかしに界魔を襲う。
「レーザー!?いや、違う。これはそんな機械から発射された物じゃない。だが、これなら何とか避ける事が出来そうだ」
ほんの一瞬の時間だった。界魔は木に背を預け真正面に飛ぶレーザーを見つめ、ここだ!と言う所で横に逸れた。界魔は木の所を振り返り一瞬ヒヤリとした。
成る程、直撃した木の所は燃えたと言うより溶けたと言うべきだろう。間違ってもこれは真面に受けたら、熱いとかそんな感覚を覚える前に身体が溶けてお陀仏してしまうな。一体誰が?
「誰なんだい?その闇の中にいるのは。先ずは用件から聞こうか。不意打ちしか出来ない臆病者じゃないだろう?」
決して威嚇してる訳ではないのだが、闇討ちと言うのがどうも気になる。私は弱い人間で相手はその私の何倍もの力を持ってるんだ、それとも相手も警戒してるのか?
「お言葉に甘えて出てきてやるのだー!」
その声を聞くと闇の中からぬるっと真っ黒な服に金髪の端にリボンを付けた幼女?が姿を現した。声的にそんな感じとは思ったが、思った通り過ぎて言葉に困る。こんな子がさっきの即死させれるレーザーを発射した張本人だと思うと信じられないが、人は見掛けに騙されてはいけないと言う意味が伝わってくる。
「なんか、不思議な力を感じるな。これが妖力と言う物なのかな?」
「何を分からない事を言ってるのだ?そんな事より、お前は食べて良い人類か?」
食べて良い人類?この子は何だ、人食い妖怪なのか。私は自分の身体を見ても、ガリだから食べる所が無い気がするが。いや、そもそも人食い妖怪は人間が食えれば良いのだろう。どうしたものか、下手に嘘を吐いてもバレるだろうし正直に言って食べられても馬鹿らしいし。
悩んでいると、その人食い妖怪は我慢の限界が来たのか小さな口から見える上歯の牙を見せながら私の腕を見てる。
「まだ、食べて良いとは言ってないからな。噛まないでくれよ」
「そんな事はしないのだ。でも、余り美味く見えないのだ」
気が変わってくれたのか?いや、まだ油断出来ない。私の言葉次第では腕を持ってかれるやもしれない。しかし、人食い妖怪にしちゃ随分と物分かりは良いな?正直に言ってみるか。
「人類は人間だ。だが、外の世界の人間だけどな。因みに私の世界では、人間は食べないがな。まぁ、相手が君みたいな妖怪じゃどうなのかは分からないが」
「・・・・」
人食い妖怪は目をパチクリさせて界魔の事をじっと見てる。界魔は自分の腕をその妖怪の前に持ってくる。震えは無い。それを見るや人食い妖怪は不思議な表情で界魔に話す。
「怖くないのかぁ?」
「あぁ、怖いさ。でも私には分かるんだ、君の内に秘めてる氷の様に冷たい物がね」
「!!!!」
一瞬、妖怪の表情が変化した。それは正にその妖怪が内に秘めてる事を分かったかの様に。妖怪は口を閉じると、界魔に再び話しかける。
「別に今はこれと言って、お腹空いてないのだ…だから、別の事を楽しみたかっただけなのだ…」
この妖怪からは完全にさっき感じてた殺気は無くなっていた。逆にこの妖怪からは友達が出来たと言うような喜びの様な物が感じられる。
そうか、これが私の力だったのか。今まで人の心理を読む力に優れては人が今欲してる言葉を言う。それが例え、血の繋がりが全く違う妖怪にも同じ効果を出すとはね。心理系か能力はそう。
【力の心理と癒しを操る程度の能力】
こんな感じなんだろうか。この人食い妖怪に言った心の様に冷たい物とは、人間は必ずしも妖怪に恐怖を抱く。それが人食い妖怪ともなれば尚の事だ。だが、その逆もある。妖怪や妖精はその恐怖になった人間を見て行き過ぎた事を妖怪や妖精はしたがる。それが人食い妖怪なら人を食う、つまり相手は伝えたい事も伝えられずに死と言う事になる。
この人食い妖怪の心理を見た時に、私は他の事も見えたからこそ自らの腕を妖怪の前に見せた。その心理とは人間の友達が欲しいと言う心理が見えたから。
見た目は幼き姿をしている、だがそれは私とかでは比にならない時を生きてるのは当然の事。だが、その妖怪が幼き者なのかそうじゃないかは見てわかる。もちろん後者に取られる場合なら、こんな事は勿論選ばない。逃げるが勝ちの通り逃げるだけだ。
「私は異神界魔。君の友達になれないかい?」
「えっ…」
その言葉を聞くや妖怪の目に僅かな潤みが見えた気がした。だが、それは言葉通りの意味で直ぐにドット出た涙を見せて私の手を握って来た。
「わ。私は。。ルーミア。よ。よろしく」
「よろしく、ルーミア」
私も手を握り返す。ルーミアは抑えていた涙が流れてる中、立っている私の足に抱きつく様な感じになり。嬉しさに満ちた表情で強く抱きついてる。
木々の隅に誰かがいる。
「あらら、人食い妖怪をあそこまで手懐けるとは。私はてっきり食べられて、お終いかと思ったわ」
界魔とルーミアがいる所から、紫がスーと姿を現し2人の様子を見てる。表情は軽い笑みを浮かべ、何かを企んでる表情だ。
「でも、同じ策がそう何度も効くかしらね?今回はたまたま、弾幕を避けたから良かったけど時期に避ける事も困難な弾幕に直面するわ」
スーと紫がスキマに戻ろうとする。最後に2人が歩き出したのを確かめて、紫もスキマに顔を入れる。入れる間際目線だけがまだ2人がいた所を見てる時に紫は一言呟いた。
「見事幻想郷をその力で変えてみせなさい…」
作者の銀髪の執事です。次話まだぜんぜんかかるとお思いになった方もいらした筈です。いや、本当はちょこちょこやって行くつもりが書き始めたら止まらなくなり書き終えてしまいましたw今回はどうでしたかね?私結構ルーミアの話しは見てきてますが、ルーミア自身が人食い妖怪と言う事もあって人間とは和解出来ないのかなぁと思って今回の1話は書かせて頂きました。私的にはこれが納得の行く人間とルーミアの和解じゃないかなとか一人妄想に浸っちゃったりしてましたw(嘘ですw では、次回ですが、今回が早く出来ましたのでなるべく日にちを空けない様頑張って行きますね。でわ、さようなら〜( ´ ▽ ` )ノ




