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アウトコレクター  作者: 一ノ瀬樹一
第三章 弁天堂美咲と幻獣
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弁天堂美咲と幻獣《ミスティカルビースト》 03

 「それは、一角獣モノケロースだな」

 「一角獣モノケロース? ユニコーンとは違う生き物なのですか?」


 一通りの説教が終わり、教室でのことを迷斎さんに話をすると、一角獣モノケロースなる生物について教えてくれました。


 「ユニコーンも一角獣モノケロースの一種であるから、ユニコーンかもしれないが、しっかりと見ていないのだろう?」

 「そうですね――。逆光だったので、正確にはなんだったかわかりませんが、角が生えていました」

 「なるほど――」


 迷斎さんは口元に手をやり、何かを考えているようでした。


 「それにしても、もしも本当にユニコーンなら、凄く素敵なですね」

 「素敵? なぜかな?」

 「だって迷斎さん、ユニコーンですよ。白い毛並み、たくましい角、ユニコーンに乗って草原を駆け抜けるなんて、実にファンタジーじゃないですか」

 「弁天堂。何か、勘違いしているようだから説明するが、ユニコーンは獰猛で気性の荒い性格をしているのだよ。したがって、ユニコーンに乗るなんてことは、まずあり得ない」

 「そうなんですか?」

 「それに、怪物だとも言われていて、七つの大罪の憤怒も、ユニコーン説があるくらいだ。有名な話では、ノアの方舟に乗せたが、他の動物を見境なく角で突くので、水中へと捨てられたなんて話がある。だから、現在では生存していないとか――」


 迷斎さんの自慢話はともかく、私がイメージしていたユニコーンとは、ずいぶんとかけ離れた解釈があることに驚きました。

 それに、もしも教室で西園寺さんと一緒にいたのがユニコーンだったのなら、西園寺さんの身に危険が及ぶかもしれません。


 「迷斎さん! 西園寺さんは、大丈夫でしょうか?」

 「まあ、調べてみる価値はありそうだな。いいだろう、弁天堂。これは、怪奇噺になりそうだ」


 子供のように目を輝かせ(と言っても、黒く濁った瞳ですが)、迷斎さんは大分乗り気のようです。

 私も、あんな話を聞いた後では、西園寺さんのことが心配になっていたので、取り敢えずは胸を撫で下ろす思いでした。


 ピリリリ。


 突然、私の携帯電話が鳴りました。着信の相手はまゆりさんで、私は電話に出ました。


 「もしもし、まゆりさん」

 「美咲さん。今どこにいますの?」

 「どこって――、迷斎さんの屋敷だけれども、どうかしたの?」

 「迷斎さんの屋敷――、それなら安心ですわ」

 「安心? 一体何のことなの?」


 安心――。一体何が安心なのでしょうか?まゆりさんの話が、さっぱり理解できません。


 「実はね、同じクラスの小倉台さんが、通り魔に襲われたらしくって、病院に運ばれたそうなの」

 「小倉台さんが!」

 「何でも、全身を尖った物で数十箇所突かれたそうで、意識不明の重体だそうなの。それで、美咲さんは大丈夫かと思い、心配になって電話をしたところよ」


 小倉台さんといえば、先ほど西園寺さんと一緒に帰っていた人です。ほとんど、友達といることのない西園寺さんですが、最近は小倉台さんたちグループと一緒にいるのを見かけます。


 こう言ってはよくないのかも知れませんが、西園寺さんは無理やり小倉台さんたちのグループに入れられているようで、悲しそうな表情をよくしています。


 もしかしたら、小倉台さんが襲われことも、何か関係があるのでしょうか。


 まゆりさんとの電話を切った後、迷斎さんから思わぬ言葉を耳にしました。


 「弁天堂。その西園寺には気を付けてた方がいいぞ」

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