おまわりさん、こっちです!
ここから成田空港まで順当にいけば3時間で着く。俺は自宅を8時に出発し、空港に着いた。
ローマからの搭乗出口で待ってると、フレアでミニなプリーツスカートと、膝丈のブーツ、女の子っぽい可愛いシャツを着た銀髪のロリッ子が元気よく俺に向かって走ってきた。スーツケースを投げ出し、鳥が飛び立つほどの跳躍力で、俺に飛びかかってくる。
俺はドラマのようにくるくる回りながら勢いを殺して抱きとめると、いきなりエリーにキスをされた。
少ししてから唇を話すと、
「大好き、ジン」
と片言の日本語でエリーが言ってきた。
「ありがとう」
と返すと、エリーはニッコリと微笑んだ。俺はエリーのスーツケースを持ち、逆の腕にエリーが組みついて俺の車まで歩いた。
空港から出てすぐに近くの大型の家電ショップに行き、アヤカに言われた『ポケト◯ク』を三万で買う。
使い方は至極簡単だった。
ボタンを押したまま日本語で話し、ボタンを話せば『ポケト◯ク』がイタリア語で話す。また逆も然りで、俺はこの中に《言語理解》のスキルが入ってんじゃないかと疑った。そのくらい素晴らしい翻訳性能だった。
[ステマではない]
俺とエリーは翻訳機を通して話す。
『会いたかった、ジン』
『そんなに日にちは経ってないだろ』
助手席でこっちに熱い視線を送ってくるエリーに、チラリとだけ目線を送る。
ちなみに翻訳機の操作はエリーがしてるので、運転の危険はないのであしからず。
『会わなくなって私は気づいた。ジンが好き』
「エリー……」
俺は話を誤魔化すかのように、
『飯は食ったか?なんか食べるか?』
『スシ!スシ!』
「ok」
俺は回転寿司でもそこそこ良いネタを出すチェーン店、寿◯虎に入る。
エリーはキャッキャ騒ぎながら寿司を食い、「ボーノ!ボーノ!」とほっぺたを指差しながら言っていた。
車に戻るとエリーは疲れていたのか、いつのまにか眠ってしまっていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
買い物をしてから自宅について、布団を敷き助手席で寝ているエリーを抱き抱え、家の中まで連れて行く。
起きてるのか寝ぼけてるのかはわからないが、エリーは俺の首に手を回してきた。
「起きてるのか?」
「……」
返事はない。俺はそのまま布団に寝かせると、
ぐいっ
エリーは俺の首を抱きしめてきた。
「ティ、アーモ……ジン……」
翻訳機を通さずにエリーが言ってくる。
俺はデコピンをしてエリーから離れた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
夕飯に拙いながらも天ぷらをあげ、またボーノラッシュを受けてからエリーを風呂に入れる。
すると素っ裸のエリーが風呂から出てきて、
『ジン!シャワーの使い方がわからない!』
「バカやろう!なんてカッコで!」
『ジン!シャワーの使い方がわからない!』
「あーもう!」
たしかに俺の家のシャワーは、風呂釜についている奴だ。この辺では割とまだまだ常識レベルなのでつい失念していた。
俺はエリーの背中を押すように風呂場の中へ追いやり、俺も浴室に入り風呂釜のスイッチを入れてシャワーの準備をしてると、
「わぷっ!!」
素っ裸のエリーは湯船から洗面器でお湯をくみ取り、俺にぶっかけてきた。
「……てめえ……」
エリーは子供のような笑顔で、
『ジン、一緒に入る』
「……」
やりやがったなこんちくしょう……。
「このクソガキが!上等だ!」
俺は服を脱いで一緒に入った。
翻訳機は壊れるので脱衣所に置いた。
俺は身体と髪を洗っているエリーを湯船に浸かりながら眺める。
(綺麗だ。だけどやっぱりこどもみたいだ。幼児体形じゃねえか。これとやるのはねーわ。俺のを入れたらまるで串刺しになっちまう……)
エリーはいわゆるプニロリってやつだ。どうみても俺のを受け入れられるとは思えなかった。
エリーが泡を流して交代で俺が洗い場に出る。
俺は風呂の椅子に座り、シャンプーで頭を洗っていると、
ぺと……
何かに抱きつかれた。
泡を避けながら薄目を開けると、エリーが俺にまたがり、こっちを向いて俺のモモに座っている。
「ジン……」
「…………無理だエリー。嬉しいけどお前が死んじまうよ」
「ジン、ティアーモ」
「……」
言葉が通じていない。
俺が厳しい顔でエリーを見ていると、エリーは泣きそうな顔になり、タタタタと風呂から出て行った。
(これでいい、これでいいんだ……)
俺は頭の泡を流してゴシゴシタオルを泡立てると、エリーがスマホを持って戻ってきた。
エリーは、まるで印籠を掲げるサムライのように、腰に手を当てて自分のスマホを俺に画面を向ける。
そこには……
『仁さん、不平等はいけませんよ?エリーも仲間です。エリーも仁さんを愛しているのです。平等に愛してあげてください 彩花』
「…………てめえら……グルかよ……」
エリーは俺の言葉がわからずニコニコとしている。まるで《これさえ見せれば私の勝ちよ》とばかりに勝ち誇っている。
「あーそうかよ、言っとくが今日の俺は優しくねーぞ?」
ムクムク
「ディ、ディアーブロ…………」
俺はエリーを脇に抱えて風呂を出た。
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やはりエリーは大層痛がった。俺の硬さも萎えるほど痛がった。だがエリーは翻訳機で、
『慣れるまで続けて。絶対に止めないで』
と泣きながら言うので、結局、挿したまま動かずにエリーは俺の腹の上で寝た。
次の日の昼まで試行錯誤し、なんとか一戦終わらすと、エリーが満足したようなので、これで終わらせた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あぁ……やっちまった……」
いくら成人してるからと言って、こんな子供みたいな女としてしまった。
確かにムラムラはしていた。
だが俺は思う。
それもこれもアヤカとベティが数日前からさせてくれなかったからだ。
昨日だって誘ったのに。それなのにあんな手紙みたいなメールをエリーにして────、待てよ?
まさか、俺にエリーとさせるための作戦だったのか?
あの古代遺跡からエリーが一緒に寝たがるのも?
「…………やってくれたな……アヤカ……」
これは次の機会にガッツリお仕置きが必要案件だ。
まあ、お仕置き内容を語ることは出来ないが……
俺はエリーの剥き出しの尻をペチペチと叩き、起こしてから翻訳機で伝える。
『お前ら、全部作戦だったのか?』
エリーはキョトンとした顔をしておどけてみせる。
『私日本語、わかりません』
「…………」
日本語じゃねえだろうが!!
翻訳機で言ってるだろうが!!
なんだこのコントみたいな返答は!
『ふざけるな、正直に言え』
エリーは可愛らしい笑顔で翻訳機を使う。
『日本語難しい。私片付ける』
と、エリーは言い残し、シーツを剥がして布団を片し始めた。
「日本語わからねえのに、布団は片せるのかよ…………」
布団の習慣なんて日本語にしかないはずだ。
『日本語難しいね』
「うるせえ!!あー、もう、いいよ!!絶対後悔させてやる!」
『後悔しない。私幸せ』
「通じてんじゃねえか!」
俺は缶ビールを煽って、不貞腐れながらアヤカの帰りを待った。




