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Who is witch?  作者: 鈴乃屋
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3/3

戦闘開始

『教会』本部。チャペルにて、2人の男女が酒を煽っていた。女は右頬に傷痕を負い、黒のキャミに赤のホットパンツを履き、銃を片手にびんを持っていた。


「だーかーらー!イイじゃんか別に!減るもんじゃ無いし!」

「減りはしないが駄目だ」

「はぁ!?マジ意味わかんない!」

「わかんないのはお前の頭の中だ。ヤる事しか頭に無いクソビッチが」

「うるっせぇよハゲゴリラ!」


ハゲゴリラと呼ばれた文字通り頭が焼け野原どころか、荒地の様な頭をした男が、女に悪態をつく。女は不貞腐れながらまた酒を煽る。男は溜息をついた。


「まったく……神父は何を考えているんだ。あんな子ども、金にもならねぇよ」

「だからそれをあたしがいただこうと……」

「黙れ。しかも『悪の書』を持ってると来た。何者なんだ?あの嬢ちゃん」


講壇の方を見ながら、男は机に置いていた煙草に手をつけた。


「あ、ずるい。ちょーだい?」

「自分の金で買え」


女が煙草に手を伸ばそうとするとひょいと取り上げ、ポケットに入れた。コツコツと奥の部屋から1人の青年が出てきた。


「また昼間から酒か?リジー、バードル」

「シグラか、あいつらはどうだ?」

「駄目だな、5分もすればここはあっという間に囲まれるだろうな」

「うっわ最悪……大体あの2人がやりすぎるからいけないんだ!」

「もう過ぎた事は仕方無いだろ?いい加減次の事に切り替えろクソビッチ」

「クソビッチってセリフ、そっくりそのまま返してやるよ」

「あぁ!?ざけんなよ!!」

「リジーもシグラも俺の前で喧嘩すんの辞めろよ!お前らの声のせいで酒が不味くなるだろうが!」


リジーとシグラはバツが悪そうにそっぽを向いた。すると外の方から、バイク音やエンジン音が聞こえてきた。リジーはニヤリと笑った。


「来たか……久しぶりの戦闘になるな!」

「シグラ、他の奴らに来たと伝えて来い。そして奥にいる嬢ちゃんを連れて安全な場所に行け」

「分かった」

「手ぇ出すなよ」

「安心しろ、俺はクソビッチみたいに時間をわきまえない奴じゃないから」

「はぁ!?」

「はいはい行った行った」


シグラが奥の部屋に引っ込んだのを確認したバードルは、机の下からハリセンを取り出した。


「何であんたの武器ってハリセンな訳?」

「キチガイからこっちの方が合ってるって渡されたんだよ」

「ふーん……」


リジーも同じく机の下からダイナマイトと手榴弾を取り出した。


「爆破させんなら外でやれよな」

「へーい」


バン!と入口が乱暴に開いた。男達がドタバタと入り、リジー達を囲んだ。


「テメェの所の奴が色々やらかしてくれたなぁ?こっちは大損害だ。どうしてくれるつもりだ?」


男の1人が口調を尖らせながら2人を見る。


「ほうほう、そいつはすまなかったな。でも……殴り込みに来る場所は考えた方が良いな」

「あぁ!?何言ってんだテメェ!」


男がバードルに殴りかかろうと胸ぐらを掴んだ。しかし、バードルはその手を掴み、有り得ない方向へと思いっきり曲げた。ゴキッと鈍い音が鳴った。


「があっ!?ああああ!!!」

「そうしないと、関節が逆に曲がるぜ?リジー!派手にやってやれ!」

「言われなくてもやってやるわよ!」


リジーは手榴弾のピンを引き、外の車に向かって投げつけた。手榴弾が車のボンネットに当たった瞬間、バーーン!と爆音が鳴り響いた。


「なっ!……」

「余所見してるんじゃねぇ!」


男が振り返ったのを見逃さず、バードルは男の鳩尾に拳を叩き込んだ。男は呻き声を上げその場に倒れた。それを見た周りの男達は一斉にバードルに飛びかかった。バードルはそれをかわし、懐に忍ばせておいた銃を構え引き金を引いた。パンッと乾いた銃声の後に、男達が至る所に鮮血を散らし倒れていった。


「ハゲゴリラだけが相手とは思わないでよ!」


リジーが流れ弾に当たらない様にバリケードを張っていた机から飛び出し、男達に飛びかかり右脚を高く振り上げ男の脳天に踵落としを決めた。


「うぅっ!?」

「弱っちいねぇ!あたしが手取り足取り腰取り教えてやろーか!?」

「下ネタぶっ混むのはやめろ」


バードルが注意していると、奥の部屋からシグラが息を切らして走り、肩にかけていた縦長のショルダーからライフルを取り出し、周り一体に打ち放った。ある程度片付け終えると、バードルの方へ掛けた。


「良い知らせと悪い知らせがある。どっちから聞きたい?」

「いきなりどうした?えーと、じゃあ……良い知らせから」

「アリス達が本部を叩いている。援軍が来る事は無いようだ」

「そうか、悪い知らせは?」

「あの嬢ちゃんが逃げ出した」

「そうか……て、はぁ!?どういう事だ!?」

「ドアが開いていたみたいだ。神父が閉め忘れてたらしい」

「あの忘却爺め……どこいった?こっちにだけは来て欲しくないな」

「それは分からん。逃げ出してたのなら、また捕まえれば良い話だし、そこまで気にする事は無いだろう」


そう話してると、奥の扉が開く。そこから修道女の服を着た少女、ソフィーが出てきた。


「あれ……?ここは……?」

「おい嬢ちゃん!ここは危険だ!早く部屋に戻れ!」


バードルが怒鳴りつけるが、ソフィーはなかなか動かなかった。


「いや……戻りたいのは山々なんですが……」


ソフィーが口籠もった瞬間、男達がドアから出て来てバードル達を取り囲んだ。その1人がソフィーの首筋にナイフを当てた。


「どういう事だ……お前らの本部は潰した筈だ」

「間一髪で逃れられたんだ。さあ!交換条件だ!この娘を無事に返して欲しけりゃ、取引に必要な商品と金を用意しろ!」


バードルは冷や汗を拭い、この状況をどう切り抜けるか考えていた。

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