↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺戮令嬢リア・エルスワーズの華麗なる侵略史  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/96

第72話 当主の告白

 バートンは不敵な笑みを浮かべて私に問う。


「あの二人……ラインとマーサはどうだった。少しは障害になったかね」


「ラインとは戦っていない。シェリーが殺した。割と互角の勝負だったな。マーサはかなり強かったけど、別に本気を出すほどじゃなかった」


「ふむ、そうかそうか……概ね予想通りの結果だ」


 頷くバートンに動揺は見られなかった。

 それどころか怒りや悲しみもない。

 気になった私は尋ねる。


「妻と息子が殺されたのに、何も感じないのか?」


「冗談はよしてくれ。あの二人は失敗作だった。人体改造に耐え切れず、半端な段階で満足したんだ。そんな欠陥品に情などない」


「……変わったな。昔は家族愛があったと思ったんだが」


「もし変わったのだとすれば、君が原因だよ」


 バートンがまた一歩近づいてきた。

 彼は熱を込めて語る。


「エルスワーズ家は身の丈にあった歴史を歩んでいた。先代の仕切る全盛期に比べれば多少は力を落としたものの、それでも我々は豊かな暮らしを謳歌していた。安穏を打ち壊したのは君を拾った時……あそこで運命が歪んだのだろう」


「被害者面すんなよ。私を拉致して奴隷同然の手駒にしたのはお前らだ。憂さ晴らしに使ったのもお前らだ。新薬の実験体にしたのもお前らだ。すべてお前らの責任だ」


「すまない。別に君を糾弾しているわけではないんだ。むしろ心の底から感謝している。おかげで目覚めることができた。早い話がリアの力に触発されたんだ」


 その時、落雷が部屋の天井を消し飛ばした。

 落ちてくる木材を雷魔術の結界で砕きつつ、バートンは嬉しそうに言う。


「私の才覚は、田舎の悪徳貴族で留まるものではない。己の力を過信し、もっと飛躍を試みるべきだった」


 バートンが一瞬で私の背後に回った。

 雷魔術を使った高速移動だ。


「諸外国や違法勢力と接触し、莫大な技術提供を受けた。領民と私兵で実験を繰り返しながら、自分の肉体にも改良を加えた。この世のものとは思えない苦痛を味わったが、私は人間という種を超越した」


 バートンの気配が消え、今度は壊れた屋根の上に腰かける。


(こいつ……一体何をしたらここまでの力を……)


 私は警戒心を高めながらバートンを睨んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。