第14話 蹂躙劇
私は目障りな女神像に斧を叩き付ける。
女神像は一発で切り裂かれて崩れた。
それを目撃したバートンは怒りに震える。
「貴様……なんということを……!」
「クソな貴族のクソな像を壊しただけだろ。文句言うなよ、ケチくせえな」
こちらの挑発に対し、バートンは雷撃を放ってきた。
私は斧をかざして雷撃を防ぐ。
魔力の干渉が発生して手先に僅かな痺れを感じた。
私は軽く斧を握り直す。
(さすがに威力が高いな。年の功ってやつか)
感心しつつ、私は一気に接近する。
バートンが雷撃を飛ばしてくるが、軌道を見切って回避した。
「ぬぅっ」
「もう食らわねえよ」
私はバートンの股間に斧の先端をぶつける。
鈍い感触と共にズボンが血で染まっていった。
目を見開いて固まったバートンは、そのまま泡を噴いて悶絶する。
無様な姿を私は鼻で笑う。
「ハッ、これで三人目は絶望的だな」
「死になさい!」
近くにいたマーサがいきなり風の刃を撃ってきた。
私は首の皮膚を切り裂かれたが、それだけだ。
身体強化の防御は、魔力の鎧を着込んだ状態に近い。
だから至近距離から術を食らっても軽傷で済む。
その軽傷も再生で治るため、マーサの攻撃は徒労でしかなかった。
無防備に立つ私はマーサに手招きする。
「いつもみたいにやれよ。ほら、早く」
「くっ、貧民ごときが生意気に……ッ!」
怒るマーサが風の刃を大量に放ってくる。
私はそれらを笑顔で受け続けた。
途中から身体強化を解除していたが、再生魔術があるので問題ない。
切断された四肢は落下する前に繋がるため、欠伸をする余裕さえあった。
そのうちマーサの魔力が枯渇した。
私は疲弊する彼女の胸倉を掴む。
「感謝の言葉は?」
「うっ、あ」
「時間切れだ、クソ女」
私はマーサの顔面を殴り飛ばした。
マーサは壁に激突して動かなくなる。
手加減したから気絶しただけだ。
私は視線を儀式の間の入り口に移す。
這い進むバートンが密かに逃げ出そうよしていた。
私は早足で近付いて膝を踏み砕く。
バートンは絶叫した。
「うごあああああああああっ」
「なあ、頼み事があるんだ。八年も従ってやったんだから聞いてくれよ」
私はバートンの耳に顔を寄せて頼み事を伝える。
バートンの顔がどんどん青くなっていった。
「どうだ。命に比べりゃ安いだろう?」
「わ、分かったから……もう……ゆる、して…………」
汗だくのバートンは小さく頷いてから気を失う。
心身が限界に達したらしい。
軟弱すぎて拍子抜けである。
私は儀式の間の惨状を改めて見回し、晴れやかな気分で高笑いした。




