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【完結】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十三章

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別れ1

 一歩目は緩慢だった。

 二歩目もゆっくりだった。


 そして三歩目から鎧の悪魔の姿が消えた。


「シャリン!」


 離れたところから見ていた圭たちも見失うほどの速度で鎧の悪魔が向かった先は、シャリンの後ろだった。

 手に持った大きな剣をシャリンに向かって振り下ろす。


「ぬっ!?」


 シャリンは腕をクロスさせて剣を受け止める。

 しかし鎧の悪魔の力が強く、地面が陥没して土埃が舞い上がる。


「狙いはシャリン……? どうして」


 土埃の中からシャリンが飛び出して鎧の悪魔を殴り飛ばす。

 どうやら鎧の悪魔の狙いはシャリンのようである。


 しかしどうしてシャリンを狙うのか理由が分からない。


「同じ悪魔だからか?」


「それはあるかもな……でもそれが片岡……拝金教の狙いか?」


 シャリンが悪魔だから悪魔に狙われるというのは理解できる。

 だが悪魔は片岡が呼び出したものだ。


 拝金教絡みの悪魔がシャリンを攻撃するなんでどう考えてもおかしいのである。


「‘今戦ってるのは私だろうが!’」


 シャリンと戦っていたのは自分であり、急な乱入者に怒ったエルーガが鎧の悪魔に向かって斧を投げる。


「‘なっ……’」


 鎧の悪魔は斧を手でキャッチしてしまう。


「邪魔なのは……お前の方だ」


 鎧の悪魔が斧を引っ張ると、エルーガの方が引き寄せられる。

 力負けして驚くエルーガは、そのまま鎧の悪魔の前に引っ張られる。


 大きな剣をエルーガに振り下ろす。

 エルーガは斧を振り上げて攻撃を防ごうとする。


「ば……バケモンかよ……」


 圧倒的な力を持っていてどう倒したらいいのか分からなかったエルーガは、鎧の悪魔の一撃によって真っ二つになってしまった。

 地面に走る一本の亀裂は鎧の悪魔の一撃によって刻まれ、縦に半分になったエルーガはそのまま倒れて亀裂に落ちる。


「圭!」


「ダンテ」


 今すぐ逃げ出したいぐらいだった。

 しかし押さえつけるような魔力と下手に動いて目をつけられると抵抗もできないという恐怖に動けない。


 どうしたらいいのかも分からないでいるとダンテが走ってきた。

 この戦いには参加していないはずのダンテに圭は驚く。


「なんでここに?」


「ルシファー様が」


「ルシファーが?」


 圭はダンテの胸を見る。

 胸ポケットには可愛らしい人形が入れてある。


「遅かったか……」


 しかしダンテが胸ポケットに入れているのはただの人形ではない。

 ダンテが仕える悪魔であるルシファーの意思が人形の中に乗り移っているのだ。


 最近姿を見せなかったが、魔界の方で色々忙しいと聞いていた。


「魔界の門が開いたようだな」


「ああ、中からあれが。急にシャリンのことを襲い出して……」


 鎧の悪魔は再びシャリンと戦い始めている。


「あやつは魔界の調停者だ」


「魔界の……調停者?」


「なんだそりゃ?」


 圭もカレンも初めて聞く言葉である。


「ルールも何もないような魔界において、好き好んでトラブルを解決して回る変わり者の悪魔だ。多少の争いは許容するが、魔界が荒れるようなことはあやつが止めるのだ。他の追随を許さぬほどの力を持っているから、従うしかないという悪魔も多い」


「なんだってそんな奴が出てきて……シャリンを?」


「本来悪魔がこんなふうにこちらには来てはいけないのだ。どうやらシャリンがこちらにいることがバレたらしい」


 ルシファーはため息をつく。

 魔界の門を通ってシャリンが人の世界に来た時には何もバレていなかった。


 しかしシャリンも色々と活躍してしまったおかげで、調停者に存在がバレてしまったのである。

 だが悪魔が簡単に世界を渡れないのは調停者とて同じなのである。


「そんな時に一部の悪魔が門を開き、世界を渡ろうとしていることを調停者の奴が察知した。本来ならば呼び出そうとしたヤツの悪魔が出てくる予定だったのだろうが、あやつが無理矢理全てを奪ったのだ。シャリンを連れ戻すためにな」


 調停者が門から出てくる予定はなかった。

 片岡の計画では、悪魔を呼び出して暴れさせる計画だったのだ。


 しかし調停者は門が開くことを察知し、本来出てくるはずだった悪魔を退けて自分が出てきた。

 目的はシャリンを魔界に連れ戻すことだった。


「どうしたら……」


「何もするな」


「えっ?」


 ルシファーは首を振る。


「調停者と争って勝てる人間などおらぬ。私ですら……本気で戦ってどうにかなるぐらいだ。今ここで手を出せばあのようになるだろうな」


 ルシファーはチラリとエルーガの死体を見る。

 人の中でも上位の力を持っているのに調停者の一撃も耐えられなかった。


 ルシファーが来たのはシャリンを助けるためではなく、圭たちを助けるためだった。

 手を出さないようにと警告をさせるために、ダンテを走らせたのである。


「シャリンは……どうなるんだ?」


「ふむ……シャリンほどの力があれば勝てるかもしれん。あるいは負けても死ぬようなことはないだろう。だが負ければ魔界に連れ戻される」


 シャリンは必死に調停者と戦っている。


「ピピー!」


「フィーネ!」


 シャリンを助けようとフィーネも調停者に大鎌を振り下ろした。


「ピー!」


 けれどもフィーネの一撃は調停者にわずかに傷をつけたのみだった。

 反撃に振られた剣を大鎌で受け止めたが、力を受けきれずにフィーネはぶっ飛んでいく。

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