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【完結】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十三章

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抗争勃発2

「どんなところがおかしいんですか?」


 他の人がいてもおかしくはない。

 なのにおかしい。


 どういうことなのだろうかと圭は不思議に思う。


「それは見ていただければ分かると思います。もうすぐ着きますので」


「お疲れ様です」


「お疲れ様です。変わりはありませんか?」


「ええ、何も」


 森の中を進んでいくと覚醒者協会というベストを身につけた覚醒者が立っていた。

 伊丹が軽く状況確認している横で、圭たちは少し先を見ていた。


 黄色い規制線が張られている。

 規制線の向こうには数脚の椅子が見えていた。


 なぜゲートのど真ん中に椅子が置いてあるのか不思議でならない。


「入ってください」


 伊丹が規制線を持ち上げ、圭たちは潜り抜けて中に入る。


「このゲートで現れるモンスターは植物型でした。あまり動かないタイプで処理は簡単な方です。待ち伏せしているような形にそこだけ警戒していればいいようなものですね」


 伊丹は椅子には触れず、そのまま進んでいく。


「そのことが幸運だったとでもいえるのかもしれませんね」


「だから死体が残った……ということだね?」


「その通りです」


 獣系のモンスターならば人間の死体を食べてしまうことも多い。

 どのタイミングで覚醒者たちが全滅したのか知らないが、死体が残っているということはあまり死体には手を出さない、あるいは手を出してもゆっくりと処理するものだろう。


 植物型モンスターの場合後者になるだろうと夜滝は思った。


「あちらが実際の現場です」


「……うわっ」


「確かに……あまり気持ちのいい光景じゃないな」


 椅子が置いてあったところからもう少し進んだところにモンスターはいた。

 その光景に圭たちは顔をしかめる。


『イビルアイビー

 核となる大きな種から伸びたツタが固まったモンスター。

 近くに通るものを捕らえて養分にしてしまう雑食性を持っている。

 ツタはしなやかで意外と使えるけれど、魔石は雑食なためか雑味が多くて美味くない。』


 ツタが絡まったようなイビルアイビーというモンスターがゲートに出てくるものだった。

 圭が真実の目で見ると久々に魔石が美味いかどうかの情報を出てきた。


「まさかあれが……」


「全滅した覚醒者チームです」


 イビルアイビーのツタに埋まるようにして、何人かの人の顔が見えている。

 それは全滅した覚醒者チームの覚醒者たちであった。


「養分にされてるんだねぇ……」


 死体が残っていたのは、イビルアイビーがゆっくりと死体を処理するタイプだったから。

 覚醒者たちはイビルアイビーに取り込まれてじわじわと養分にされているのだ。


「……なぜ助けないんですか?」


 覚醒者たちは虚ろな目をしていてもう死んでいるようだ。

 生きて助け出すことは不可能であるが、死体は回収することができそうである。


 放置すればするだけ死体の状態も悪くなる。

 どうして放置しているのか謎であった。


「あっちを見てください」


 伊丹は何体かいるイビルアイビーの後ろの方の個体の前に移動する。


「この人は……」


「この人がおかしい人、です」


「なるほどねぇ」


「……何がおかしいんだ? 私にはわかんね」


 イビルアイビーには数人の男性が取り込まれている。

 夜滝はパッと見て違和感に気づいたが、カレンは何がおかしいのか分かっていなかった。


「うーん、私も分かんない!」


「……スーツ、かな?」


「私もそう思うねぇ」


「ああっ、なるほどな!」


 波瑠が顔をしかめて男たちを凝視する中で、薫がボソリと答えた。


「そうです。彼らはスーツ姿なんです」


 ほとんど顔しか出ていないが胸元も見えている。

 男たちの格好は、黒いスーツにワイシャツという会社員のような格好であった。


 少なくともゲートに入るような姿ではない。


「一般の会社員がゲートに?」


 塔と違ってゲートには魔力を持たない一般の人も入ることができる。

 しかし普通の一般人はモンスターと戦うことなんてできないのでゲートに近づきすらしない。


 確かに一般人がゲートの中にいるということは非常におかしなことである。

 一般人でないとしても、スーツ姿でゲートの中に入ってくるのは自殺行為と言っても過言ではない。


「おかしいですよね。そして私たちが彼らを助けない理由ですが……まだ生きている人がいます」


「えっ?」


「右上の男性、実はまだ死んでいないのです」


 デビルアイビーに囚われているほとんどの人は死んでいる。

 しかし一人生きている人がいた。


 スーツ姿で囚われている男性のうちの一人が死にかけながらもまだギリギリ生きていたのである。


「早く助けなきゃ……」


「もう無理です」


「どうして?」


「イビルアイビーは手を出そうとすると取り込んだ養分を一気に吸収して戦いに備えます。囚われた直後ならともかく……今の弱っている状態では助けられません」


 何もなければゆっくりと処理する。

 けれども近づくだけでイビルアイビーは取り込んだ獲物の養分を一気に吸い尽くしてしまうのだ。


 生きていると言われている男も、もうほとんどなんの反応も見せないほどに弱りきっている。

 イビルアイビーが養分を吸い尽くしてしまうとおそらく耐えられない。


「もちろんできる限りのことはしますが……助けられると確実にいうことはできません」


 伊丹は小さくため息をつく。

 見捨てるわけではないが、確実に助けられる手立てがない以上死んでしまうことを念頭に置いて行動する必要がある。

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