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【完結】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十二章

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次世代のアラクネ1

「いないって……どういうことですか?」


 ゲートのボスはゲートを大きく離れることはない。

 あまりに長い時間ブレイクしていると活動範囲が広がることはある。

 

 ただ他のゲートが溢れている太羽島でのモンスターの活動範囲は、それほど広くはないのだ。

 アラクネも決して活動範囲が広い方ではない。


 本気を出せば他のゲートの領域を奪うこともできるだろうにアラクネは活発に動かない。

 これまでの傾向としてもアラクネがゲートの中にいることは多かった。


「中には二体の人型クモモンスターと一般のクモモンスターのみ……あとは卵があったから焼き払ってきた」


 ゲートの中には確かにアラクネの巣穴が存在していた。

 ただそこにいたのは人型クモだった。


 巣穴には卵があったので燃やして処理をしたが、それでもアラクネは姿を現していない。


「こちらにもアラクネは来ていません」

 

 だからといって圭たちの方にもアラクネは来ていない。

 ゲートが消失しないところを見るにやはりアラクネがボスで、まだ生きているからゲートが消えないのである。


「‘ボスがゲートを捨てて逃げたとでもいうのか?’」


 北条と共に動いていたアメリカの覚醒者グレイシーが眉をひそめる。

 通常ボスが逃げることはありえないが、中には逃げ回って捕まえるのが大変というタイプも存在する。


 実際に攻略に向かってきた人がいて逃げたという可能性もゼロとは言い難い。


「緊急連絡だ! 誰か応答できるか!」


 連絡用の無線機から緊迫した声が流れる。


「こちら北条。何があった?」


 代表して北条が応える。

 無線の声はタケダのもののように聞こえた。


「無事だったか」


「何かありましたか?」


「もう一つのゲートの方で問題が起きた」


「問題? 何があったのですか?」


「アラクネがそちらの方に現れた!」


「なんだと?」


 北条は思わず苦い顔をする。


「そちらの状況はどうなっている?」


「こちらは問題なし。人型クモモンスター四体と通常のクモモンスターを倒して、アラクネの卵を焼き払った。死傷者は数名いるものの、多くがまだ余力を残している」


「了解した。それではアラクネの方に向かってくれないか? 向こうはかなり状況が悪いらしい。情報が錯綜していて分からないが、死傷者も多く出ているようだ」


「分かった。すぐさまそちらに向かうことにする」


 流石に変則的なA級ボスに介入されると厳しいのかもしれない。

 北条はドレイクゲートの方に向かうことに決めた。


 他の覚醒者にアラクネがそちらに現れたことを説明し、アラクネゲート周辺の警戒、モンスターの死体処理などを任せる人員を半分ほど分ける。


「圭君……」


「かなみ?」


 人型クモも倒して全体的な士気は高い。

 普段はライバル関係にある韓国が困っていて、助けられるならと日本人覚醒者でも積極的な人は多かった。


 そんな中でかなみがそっと圭の袖を引いた。

 振り返るとかなみは不安げな顔をしている。


「どうかしたか?」


「ここに残ってほしいの。嫌な予感がするの……おばあちゃんもそんなことを言っていたから」


 かなみの祖母は海の神から神託のようなものを受け取ることができる。

 未来予知とも言えない、警告のようなものである。


 おかげでかなみは危機から逃れたことがある。

 そんな祖母から事前に状況が変わったら動くなと言われていた。


 それが何のことかわからなかったが、今なのではないかと感じている。

 かなみ自身も何だか嫌な予感がする。


 太羽島を取り囲む海がざわついているような、心にざわつく波が立つ。


「……分かった」


 かなみの勘を無視することはできない。

 圭は小さく頷いた。


 韓国や中国はガルーのこともよく思っていない。

 急に現れて意思疎通のできないガルーが戦いに加われば混乱が大きくなる可能性がある。


 そんなことを言って圭たちはアラクネゲート周辺の処理に残ることになった。

 圭たちが残ればエーランドやカルキアンも残ることになる。


 かなみたち大海ギルドやアイシャたちも残ることになって、およそ半数がアラクネの方に向かった。


「この判断が吉と出るか……凶と出るか」


 何が起きているのか分からない。

 ただ圭も胸の奥がざわつくような予感がしていた。


 ーーーーー


「‘想定よりもドレイクが少ないようです’」


「‘こちらは楽でいいな……我々に失敗などないのだからアラクネの方がどうなるかだな’」


「‘失敗すればいいんですよ。それでこちらが助けに行く。そうすれば太羽島もこちらが受け取れるかもしれません’」


「‘ふっ、確かにな。中国にも協力してもらっているんだ。少しぐらい甘い汁も吸わせてやらないとな’」


 圭たちがクモと戦っている同時刻、韓国を中心としたチームもドレイクゲートに迫っていた。

 ドレイクはドラゴンの下位互換のようなもので、空を飛び、力強い攻撃を仕掛けてくる。


 けれどもドレイクの襲撃は事前に想定していたものよりも緩やかであり、特に対処が難しいわけではなかった。

 これならばボス攻略を目的とした精鋭部隊の方も楽にドレイクゲートに辿り着けるだろう、と韓国の覚醒者は思っていた。


 この分なら早く終わらせて、アラクネゲートの方に向かうことすらできるかもしれない。

 決められた報酬以上のものを要求できる可能性があると終わった後のことを考える余裕すらある。

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