第七部 第九章 一撃
憲兵がこちらにドンドン歩いてやってくる。
エルフさん達が弓を構えた。
「ちょっと待ってくれ」
和弘おじさんが弟子のエルフさん達を止めた。
「止めなくて良いんじゃ無いの? 」
俺が和弘おじさんに囁く。
「しかし、彼の仕事として二階堂家を調べてたなら、仕方ない部分もあるし」
和弘おじさんが真面目な顔で答えた。
「いやいや、何かヤバイ気がするよ? 」
俺的には変な感覚がピリピリ来てしょうがない。
「時間の流れが違うって事なのか? 」
雄二が刀を構えてじりじりとしながら呟いた。
「いや、それなら叔父さんがそのまま年をとってたりしないだろう。若すぎるよ」
闇で覆われて顔がはっきり見えないものの、とても老人に見えない。
拳銃を無機質に撃ってるし、正気とも思えない。
「若すぎるよ。顔が」
猟をやっているせいか微妙に夜目が効く由宇が答える。
「どうする? 斬りこむ? 」
雄二がぶっそうな事を言う。
「まあまあ、私が話してみよう。もしもし! そこの人? 」
和弘おじさんが話しかけるけど、反応しない。
「私は二階堂家のものだ! 」
和弘おじさんが言わんでも良い事を言った。
「二階堂……二階堂……二階堂二階堂二階堂……」
うぉい。
何かヤバそう。
「弓で射て貰った方が良いのでは? 」
「いや、それはちょっと」
和弘おじさんが優し過ぎる。
「はははははははは、二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂二階堂」
憲兵が拳銃を乱射しながら、壊れたレコードみたいになってる。
なんぞ、これ。
無茶苦茶、きしょいんですけど。
「五月蠅いっ! 」
非常食さんが帰って来た。
いつの間にか憲兵さんの後ろにいて、目の前の憲兵さんが騒いでいるのをイラっとしたようだ。
元々、イライラしてるらしくて渾身の力で憲兵さんをぶん殴った。
憲兵さんが宙を舞っている。
「お前の倍くらい飛んでるな」
「あああああああああ」
和弘おじさんが慌ててるけど、二階堂じゃ無いから助からないな。
「南無……」
由宇が手を合わせて祈ってる。
「いやいや、ちょっと」
和弘おじさんが由宇にびっくりしてるが、今更だと思う。
「何じゃ! この変なのは? 」
イライラしながら非常食さんが殴られて、吹っ飛ばされた憲兵さんを指差した。
「いや、訳が分かんない奴なんで良いんですけどね」
「そうか」
ちょっと、胸がすっとしたらしくて二階堂さんが大人しくなった。
山王二号さんのが非常食さんより素早いのかもしんないな。
結局、捕まえれなかったみたいだ。
それで、イラついていたと言うことか。
誤字報告ありがとうございました。m(_ _)m
今後とも宜しくお願いいたします。m(_ _)m




