第五部 第十七章 エピローグ
結局、雨の中でまんじりと過ごして俺達は朝を迎えた。
あの異様な甲虫たちの話が夢であって欲しいのだが、のっぺりとした顔の死体が目の前に転がっている以上、夢だと押し切るのは無理っぽいし。
謎だらけ過ぎて正直、気持ちが悪い。
「ちょっと、解剖して見るか? 」
和弘おじさんが俺達に提案した。
「した方が良いかもね」
由宇も同意した。
「まあ、とりあえず、わしは負けてしまったし一旦帰るよ」
ヒプルルツムーナミオコシーオオクニードラゴリアートトルトウルーイセーナムチーササノオトーヒツルギーオオクマノミコトさんがしょんぼりとした顔で俺達に話す。
やはり、山王が取れなかったのは辛いのだろうか。
「このさい、あんたが山王一号でこっちの負けた方が山王二号で良いんじゃ無いの? 」
由宇が非常食さんに提案した。
「いやいや! 山王と言う地位を軽く見るなや! 」
非常食さんが激怒しておられる。
「そうか、わしは山王二号か」
ヒプルルツムーナミオコシーオオクニードラゴリアートトルトウルーイセーナムチーササノオトーヒツルギーオオクマノミコトが大喜びしている。
「そうそう、別に順番で一号二号ってついてんだから良いじゃん」
由宇がすげぇ事を言ってる。
「いやいや、お前、山王だぞっ! 軽々しく増やすもんでは無いわっ! 」
非常食さんが必死だ。
「分かった。わしは今日から山王二号を名乗るわ」
ヒプルルツムーナミオコシーオオクニードラゴリアートトルトウルーイセーナムチーササノオトーヒツルギーオオクマノミコト……山王二号さんが無理矢理話を決めるとスキップして必死に否定する非常食さんを無視して行っちゃった。
「軽っ! 」
雄二が突っ込んだ。
あちこち雷で焼けて焦げてんのに、まあ元気なスキップだこと。
「あーあーあー、あいつ、本気で山王二号って名乗るんじゃ無いだろうな? 」
非常食さんが愚痴る。
「節しか斬れないし、本当に中身が昆虫だ」
その間に短刀で、和弘おじさんがのっぺりとした顔のムカデの身体をサクサクやって驚いてる。
「顔はどうです? 」
俺が和弘おじさんに聞いた。
「いや、驚いた。デカいけど、多分、人間っぽいな」
和弘おじさんが顔の部分を切り裂いて驚いている。
「「「マジかよ」」」
俺と雄二と由宇が衝撃を受けている。
あまりにもキモイ話過ぎる。
本当に早く帰りたいのに、俺達はまだ帰れていなかった。
うんざり。




